
<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 初日◇8日◇茨城ゴルフ倶楽部 東コース(茨城県)◇6665ヤード・パー72>
「出られると思ってなかった試合。しかもメジャーで、好きなコース。幸せをかみしめながらきょうはラウンドできました」
先週、1年7カ月ぶりの優勝を挙げた菅沼菜々は、そんな充実感をプレーで表現した。今季開幕時のQTランク102位のままなら、出場権がおりてこなかった試合。しかし滑り込みの優勝で、コースに立つことができている。まさに自力でつかみとった権利で、2アンダーと好発進した。
前半13番の3パットボギーこそ、「超しょーもない」と“おかんむり”だったが、14番で5メートルを沈めバウンスバックを決めると、15番でも1.5メートルのチャンスをものにし、すぐにアンダーパーに持ち込んだ。「そこからすぐに戻して、リズムも保てたのでよかったです」。流れを作るうえで、大事な2ホールだった。
すぐに取り戻せるところを見ると、いい状態をキープできている。グリーンを狙うショットが外れたのはカラーと、バンカーにそれぞれ1回ずつの計2回。パーオン率も高く、それが安定感につながった。「もう少し入ってくれればというホールはあったけど、難しいしボギーを打たないよう気をつけていたのでまぁまぁ合格点ですね」。まだ午後組がプレーしているが、十分に上位圏内だ。
スランプに陥った昨年、唯一トップ10入りしたのがこの大会(9位)。もともと、高速グリーンでフラットなコースが好みの菅沼にとってお気に入りコースのひとつだが、さらに印象はいい。先週の優勝会見では、「奇跡の9位」と表現していたが、やはり今、振り返っても、「(去年は)あんなに調子が悪かったのになんでだろう…。きょうは自分でもよかったと思えるけど、奇跡的によかったのかな? パターが入ったのか…分からない、たまたまですね」という不思議な結果だった。ただ、好相性ぶりが証明された形だ。
「平日だし、ギャラリーはついてこないかなと思ったら、応援してくれる人がいてくれて、優勝してよかったと思いました。『優勝おめでとう』と言ってくれるのもありがたかったです」。疲労感はまだ残るため、ラウンド後は軽めに調整し、あすの午後組でのプレーに備える。ようやく取り戻した日常。通算4勝目を初のメジャータイトルで飾ったら、それがまた一段と華やぐはずだ。(文・間宮輝憲)