スイング求道者・池村寛世は急浮上 「藤田寛之さんのマネ」が導く理想フェード

<東建ホームメイトカップ 3日目◇11日◇東建多度カントリークラブ・名古屋 (三重県)◇7069ヤード・パー71>

国内男子ツアー通算2勝の池村寛世が2日目に「66」、3日目に8バーディ・2ボギーの「65」をマーク。トータル12アンダー・3位タイに浮上した。
猛チャージの要因として「クラブを大幅に調整したこと」を挙げる。開幕前には「ここ3年ぐらいでパターのロフトを調整したり、いろいろと対策をして、それが結果につながっているのかなと思います」と話していた通り、シーズン初戦から好プレーを見せている。

調整を始めた理由は「自分のスイングと現代のクラブが合わない」と感じたことにあった。池村の理想は「(ボールを)つぶして、低めのフェードを打つ」ことで、そのためにアウトサイドインの軌道で、インパクト時に右肩がやや前に出る動きを取る。

ここで一番避けたいミスが「切り返しでクラブが遅れたり、垂れてしまう」こと。近年のドライバーはヘッドが大きく、重心も後方にあるため「慣性モーメントが大きく、直進性が強い」タイプが多く、トップの位置からクラブを下ろしていくときにフェースが開き、ミスショットが出やすい。そこで「今週からディープヘッドのバルドに変えました」と、小ぶりなヘッドを投入。「だいぶ楽。考えることが少なくなった」と好感触を得ている。

練習日には、同じくフェードを持ち球とする大ベテラン・藤田寛之のスイングをイメージしてクラブを振り込んでいた。これは池村が理想の弾道を打つために、以前から取り入れているルーティンだ。

「藤田さんのスイングをマネすると、球がつかまっていると感じる。藤田さんも(クラブが)遅れてこないし、垂れてこない。球をコントロールしたい時は、藤田さんのように、体の正面にヘッドがずっとある感覚」

さらに、今週は新たな練習法も導入。スイング軌道を安定させるための練習器具であるエリートグリップの『アイ・プレーンプロ』を使用した、ユニークなメニューだ。

通常はスイング軌道を確認するために地面に置いて使う器具だが、池村はこのカーブ状の器具を手に持ち、ふくらみの部分を下に向けてアドレスを取る。トップの位置まで持ち上げ、ダウンスイングで手元が腰の高さに来たとき、先端が体の後ろに倒れないように意識し、アドレス時と同じ形をキープしてスイングする。これが理想の弾道を再現する助けになっているという。

2日間の好スコアは、“理想”を求める池村の地道な調整と練習のたまもの。この状態をキープして、最終日に狙うは大逆転だ。「ショットもパットも不安が全くない。上が伸ばせば仕方ないし、自分が爆発できて、いいゴルフができたら勝てる」と意気込んだ。トップと5打差でも気持ちは前向き。ツアー3勝目に向かって挑む。(文・高木彩音)

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