「いいスイングの一丁目一番地」な構えって? 手束雅は左肩を低く回すから飛んで曲がらない!【注目ルーキーのスイング診断】

2025年の国内女子ツアールーキーのスイングをツアープロコーチの石井忍が解説。今回は手束雅(てづか・みやび)のスイングを深掘りしていく。
徳島県出身の手束はジュニア時代に、「四国ジュニアゴルフ選手権」、「香川県女子ゴルフ選手権」、「四国女子アマチュアゴルフ選手権」に優勝するなど、地元で活躍を魅せた。2022年のマイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第10戦「PIM Ladies Tournament」では初優勝を飾った。24年からは関東に拠点を移して、石井に師事。6度目の挑戦でプロテストに合格した。

現在も教え子である手束のスイングについて、「非常にバランスのいいアドレスがスイング軌道の安定につながっています」と話す。ポイントは「前のめりになりすぎず、母指球に重心が乗っている」ことだ。
カカトに重心がかかりすぎると、「前傾が起き上がりやすくスライスしやすい」。次にそれを嫌がると「フェースを返してチーピンが出る」。そして母指球よりも前重心、ツマ先に体重がかかりすぎれば、「クラブがアウトサイドパスになりやすい」。このようにアドレスの重心位置が偏れば、たちまちミスにつながる。手束については「どちらでもなくちょうどいい。いいスイングへの一丁目一番地。基本の“基”ですね」と話す。

そして、ダウンスイングでは「左足への踏み込みと同時に、左肩が沈むように動いてアゴから離れていく」。このとき、左肩と一緒にアゴが動くと上体が左に突っ込んでしまう。また、頭の位置をキープできていても、左肩が真横や上に動くと「スイング軸が右に倒されて当たりが悪くなってしまう」と、上体の開きにつながる。だからこそ「切り返しでは左肩を低く回したい」。
この切り返しによって「手元を低く下ろせて、(足を)蹴り上げるスペースができるので、地面反力もしっかり使えるんです」。前傾キープでお腹の前に空間ができることで、フットワークが使いやすくなり、飛距離アップにもつながるのだ。

さらに、クラブの動きにも言及。「グリップエンドがボールに向きながら下りてくる」。シャフトが立ち過ぎたり倒れ過ぎることがなく、オンプレーンの軌道を描いて深い“タメ”を実現。アドレス、切り返し、ダウンスイングと、基本に忠実な動きが、手束の高精度のショットを生んでいる。
■石井忍(いしい・しのぶ)1974年生まれ、千葉県出身。東京学館浦安高等学校、日本大学のゴルフ部で腕を磨き、98年プロテスト合格。2010年にツアープロコーチとして活動を始め、多くの男女ツアープロを指導。また「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアへの指導にも力を入れている。

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