桑木志帆が日本一飛んで曲がらない女子プロに輝く! 一石二鳥の「ほうき素振り」で目指せドライバー名人【優勝者のスイング】

国内女子ツアー最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」で今季3勝目を飾った21歳の桑木志帆。そのスイングから学ぶべき点をプロコーチの南秀樹に聞いた。
左に出て右に曲がるフェードを持ち球とする桑木は、ティショットが安定している。今季の『ドライビングディスタンス』は249.42ヤードで17位、『フェアウェイキープ率』は71.0543%で19位。この2つの順位を合算した『トータルドライビング』では1位に輝いた。

その飛んで曲がらないスイングについて「切り返しでレイドオフ気味にヘッドを遅らせて、ゆとりを作りながらもダウンでクラブが立って下りてきます。フォローまで前傾や胸の面が変わらず、下半身を積極的に使いながらも右足はベタ足。高い技術とともに、体の強さを感じるスイングです」と南は分析する。

本来、『飛ぶ』と『曲がらない』は相反するもの。飛ばそうとすれば曲がるリスクは高くなり、曲げないようにスピードを落とせば飛距離は落ちる。どうすれば飛距離と方向性を両立できるのか。まずは「振る」ことが大事になる。「曲がることを恐れて方向性ばかりに意識がいけば、スイングが小さくなってしまいます。飛ばしたいならまずは振ること、その上で、どうすれば方向性が定まるか考えるのが近道です」。

練習方法に挙げるのが、「ほうきを振ること」だ。重量のある竹ぼうきではなく、昔から親しまれている一般的な形状で長めのほうきの方が練習になる。「ほうきの先で空気抵抗を感じながら、素振りをしたいんです。ほうきが作る空気抵抗は、面の意識が持ちやすい上に、振る体力もつけることができる、一石二鳥の練習です」。

意識したいのはダウンスイングでほうきの先が腰のあたりに下りてきたところから、インパクト直後まで、空気抵抗を大きく受けるかどうか。「桑木さんのように体を使ってクラブを下ろすことができれば、ほうきの面(フェース)がスクエアに戻りやすく、大きな空気抵抗を受けやすくなります。切り返しで左足を踏み込んでから最後に腕が出てくるように、体の動かす順番を意識しましょう」。

体を動かす中で、桑木のような右ベタ足を意識すると、どっしりと安定して飛んで曲がらないスイングに磨きがかかる。「ベタ足は、足を止めるわけではなく、下方向へ力を使った結果です。下半身を力強く動かしながらも上半身をリラックスさせることを心がけましょう」。

当然、ある程度の体の強さも必要になってくる。「少し早く歩いてみたり、エスカレーターを使わず階段を登ったり、生活習慣の中でもやれることはあります」。飛んで曲がらないスイングを実現するために、日常的にできることから始めてみよう。

■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。

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●ドラコンプロとしても活動する鈴木真緒は身長154センチと小柄ながら、ドライバーで300ヤード以上飛ばす。関連記事の【鈴木真緒は“ワイドスタンス”+“体重移動”+“ジャンプ”の3連コンボでぶっ飛ばす】では、そのダイナミックなスイングを、プロコーチの石井忍が解説している。

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