
共働きをしていると当然世帯収入が増えます。キャリアアップや収入アップを望み、より良い仕事への転職も考えると思います。子どもが生まれたら広い部屋がいるかな?と引っ越しも考えると思います。でもちょっとストップ。収入が増えたら、引っ越したらより幸せになれるでしょうか。リアルな懐事情と暮らしを見てみましょう。
世帯年収1500万円、都内在住、子ども二人のリアル
相当な大手企業や働き手になるとは思いますが、共働きの家庭で夫年収1,000万円妻500万円という収入も現実にあると思います。
その場合税金が400万ほどかかるので、手取り金額は1000万円強となります。夫婦共にそれなりのキャリアがあり40代として、子どもは小学生と保育園という家庭を考えてみます。
住まい
効率的に働く為に都内山手線内駅から2駅程度、2LDKの賃貸マンションで約25万円から30万円ほどの家賃がかかります。
都内の高層マンション、高級マンションの良い点として、とにかくセキュリティがしっかりしています。物騒な今、ガードマンが自宅マンションに常駐しているのは安心ですね。また、宅配ボックスがあったり、24時間出せるゴミ置き場がある等、共働き家庭にうれしいポイントがあります。
ただ、こうしたマンションは、駐輪場等の共有スペースが狭く、子どもの遊ぶ自転車は室内に持って部屋まで上がらなくてはいけなかったり、駐輪場が2段式で使いにくく出し入れに時間がかかり、さらには駐輪場にも毎月お金がかかったりと、都会ならではの不便さもあります。また、マンション内に子どもが遊べるスペースはありません。働いているご家庭も多いので近所付き合いは希薄かもしれませんね。
教育事情
都内は、子どもの保育園競争率はとても高いため認可外保育園やベビーシッターを頼むケースも多いとおもいます。毎月の保育料は月10万円から15万円というところでしょうか。
小学校は私立を考え、幼稚園からお教室に入れます。受験塾の他にスイミングや英語などの習い事をしている家庭が多いです。
選べる教室の種類は多く、送迎がついていたりプライベートレッスンを受けることも選択肢に入れられます。習い事費用に月5万円から7万円といったところだと思います。
入学後はさらに学費、その他諸費用が必要になります。私立小学校の費用はざっくり月5万円から10万円程だと思います。
生活事情
自家用車は必要ない生活です。日々の買い物は駅前にある24時間営業の高級スーパーで済み、ほとんどの用事を徒歩で済ますことができます。
都内在住だと職場までが近く、時短勤務を使わなくても保育園のお迎えに間に合うことができます。緑豊かな地域に住居や保育園を選ぶと、駅からは離れ徒歩20分という通勤時間がプラスされる場合もあります。
休日出かけるとしたら、整備された公園や環境の整った美術館博物館にバスや自転車ででかけることができます。
子どもの体験や習い事の選択肢が多く、親も隙間時間に習い事や勉強をやりやすい環境にあります。
子どもが思いっきり遊べる公園や施設に行くには、電車を乗りついで行くことになります。
都内年収1500万まとめ
こうして上げてみると、都内では便利さや選択肢の多さが幸せのポイントとして高いことがわかります。
ただしその年収があってこその暮らしになります。何事もお金がかかります。子どもがのびのびできる部屋数や遊び場としてはマイナスポイントなりますね。
世帯年収500万、郊外都市在住、子ども二人のリアル
国税庁の調査によると40代前半の平均年収は461万円です。
(参考:平成27年度民間給与実態統計調査)
妻が扶養内で働くとすると、週3日月8万円がよくあるパターンかと思います。そして世帯年収500万円となると、手取りは400万前後です。ここに小学生と幼稚園の子どもがいると考えます。
住まい
新宿や渋谷など主要駅から私鉄に乗り40分行った郊外都市在住として考えます。2LDKの賃貸マンションを借りると7〜10万円の価格帯になります。
ファミリータイプと呼ばれる広めのダイニング+和室+主寝室+子ども部屋2つの4LDKで駐車場ありだと、12万円から18万円の価格帯が多いと思います。この値段を出すと戸建ても借りられ、購入するとしても月々の支払いがあまり変わらないことになります。
オートロック付きマンションはあまり選択肢がないかもしれませんが、駅前でコンシェルジュがいるようなマンションもあります。
ファミリータイプを選ぶと近隣に同じような世帯がいるので、情報交換や子ども同士の交流が盛んにできます。マンション内にちょっとした遊べる広場や、住民が借りられるフリースペースがあるマンションもあります。
教育事情
郊外都市は保育園建設のための土地があったり、政策として力を入れているところが多いので保活が都内より緩やかに済む傾向にあります。
幼稚園は私立が多いですが金額が高いことはありません。
園が広く園内に畑や広いグランウドが備わっているところも多いです。駐車場を保有しているところがほとんどで、送迎時にも使えます。幼稚園の選択肢も多く、希望した園に入れる傾向があります。
また、自治体の施設を使用した子どもリトミックやプール教室が多くあります。そうした習い事は月5千円程度の月謝です。
ただし、目新しい習い事は主要駅まで電車やバスなどを乗り継いでいく必要があります。
私立小学校に通う子供たちは主要駅前の塾に通うために、通学以外にも電車やバスに乗るなんてことも少なくないようです。
公立小学校の多くは子どもの人数が増え3〜4クラスあるところがほとんどです。校庭の広さが充分あり地域と結びついた教育を行っています。
生活事情
女性の働く場所が郊外では限られ、都内に比べると賃金が低めです。
移動手段として車はもちろんのこと、なんといっても、自転車は必須です。前に後ろにかごをいっぱいにして子どもの送迎をしているママが多いです。電動付き自転車の率も高いと思います。自転車で10分程度の範囲にスーパーが2,3軒ありますが、ホームセンターや大型スーパーも車で10分程度にあります。
自転車で気軽に乗り付けられ駐輪代のかからない公園が多数有り、噴水のある公園や小川のある水遊びもすぐできる環境です。
映画館や教育施設に行こうとすると電車を乗り継いで行くことが多いです。
正社員としての勤め先はたいてい通勤時間は1時間強で、時短を使わないとお迎えに間に合わない距離にあります。
郊外年収500万のまとめ
上げたことを見てみると、郊外では子どもがのびのびとできる環境が整っていることがわかります。
その環境にお金をかけなくても済むので好きなだけ子どもにやらせてあげることができるかもしれません。その分親は通勤時間が増え選択肢を広げるためには、都度出かけなくてはいけないことになりますね。
両方見てみると確かにどちらとも長所と短所があります。家族がどういう生活をしたいのかきちんと夫婦で話し合って住まいを決めていきたいですね。
(文・川里 富美)