“計算”されたホールインワン 吉本ひかるの緻密なパー3戦略

<富士通レディース 初日◇11日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>

13番パー3でホールインワンを達成した吉本ひかるが「68」で回り、4アンダーの12位タイで滑り出した。今季のパー3の平均スコアは「2.9491」でツアー5位。ホールインワンは5月の「ブリヂストンレディス」最終日に続く今季2度目、通算では4度目とパー3は大得意。2日目以降もパー3を攻略して、今季初優勝を目指す。

「感触がすごく良くて、ピンの2メートルぐらい手前に落ちて入ったのが見えました。ワーッて感じでうれしかったです」。13番は実測で180ヤード。使用クラブは4番ユーティリティだった。1打でカップに消えたのだから、言葉で振り返っても短いが、そこに至るまでの戦略を聞いてみると緻密だ。

距離は打ち下ろしを含めて176ヤードとジャッジ。「左からちょっとアゲンストの風でギリギリのクラブだったので、ティアップしました。ティアップした方が少し飛ぶので、状況によってはパー3でティアップしないこともあります」。

また、ピンポジションは左手前で、グリーン左手前のバンカーに近かった。「ティの右サイドから打とうと思ったんですけど、ちょっとつま先上がりになっていて、こっちの方がむしろバンカーに入りそうなイメージだったので、平らな場所を探して、真ん中やや左寄り、あえてバンカー越えになる場所から打ちました」。一打一打にこうした意図が込められているからこそ、ツアーきってのパー3巧者でいられるのだろう。さらにこのホールでは「先に打った(木村)彩子さんがホールインワンしかけるぐらいのショットだったので、すごくいいイメージをもらいました」と付け加えた。

今季は優勝こそないものの、トップ10が7回、メルセデスランキングは自己最高の18位と好調。特に秋口に入って調子を上げており、2週前の「日本女子オープン」では決勝ラウンドに「67」、「68」とビッグスコアを並べて7位フィニッシュ。先週の「スタンレーレディス」でも2日目に「66」をマークして7位タイに食い込んだ。

「きょうはティショットのミスが多くて、内容的には修正しないといけない部分があるんですけど、女子オープンぐらいからやるべき方向がハッキリしてきて、その中で頑張りました」。現在のテーマは「ミスを嫌がらずに自信を持って振り切ること」。内容には満足していないが、それだけは最後まで貫いた。

上り調子なのに加えて、今は好きな季節。「私はグリーンが速い方が好き。夏はちょっと遅めのグリーンも多いので、ちょっと涼しくなってきたこの時期が一番です」。昨年3月以来の通算2勝目は確実に近づいている。(文・田中宏治)

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