
<日本女子オープン 事前情報◇25日◇大利根カントリー倶楽部(茨城県)◇6845ヤード・パー72>
「60回か~」。しみじみといった様子で戦歴を振り返ったのは、国内ツアー通算16勝を誇るベテラン・上田桃子だ。この日本一決定戦が自身60回目のメジャー出場。悲願の公式戦初Vをかけて、ツアー歴代最長の超難関コースに挑む。
かねて目標としているこの大会に、今年も照準を合わせてきた。「しっかり調子を上げられるように準備してきて、色々試しながらここまで来た。ある程度捨てる作業はできて、やることがシンプルになっている。高い集中力で回れるぐらい、頭がクリアになってきています」と、調整は上々のようだ。
今大会の総ヤーデージはツアー歴代最長を更新する6845ヤード。多くの選手が「難しい」と口をそろえるが、百戦錬磨の上田にとっても例外ではない。「実際の表記より長く感じる。普段はあまりロングアイアンやUTを使うことってないんですけど、UTばっかり打っている感じ。簡単なホールがひとつもない。最近の中でも最も難しく感じるコースだな、と思います」と言わしめるほどだ。
『特に警戒するホールは?』という報道陣の質問には、「ここに限ってはない。全部です」と答えはまさかの“18ホール”。とりわけ「9番は本当に長くて。表記は570ヤードですけど、左からのアゲンストになると体感で610ヤードくらいに感じる」。風の向きによっては、体感で男子ツアー級のパー5に変貌(へんぼう)する。
そんなモンスターコースの攻略法は「焦らない」こと。「スコアを意識するとダボが出ちゃう。あまりビッグスコアを出すイメージが湧かないし、終わってみたらアンダーパーが10人いないんじゃないかと思っている。耐える時間帯が必ず来ると思うので、最小限のロスでおさえることを心がけます」。経験豊富なベテランらしい試合運びで優位に立ちたい。
「毎年、この大会で勝つために準備を進めている。(プレー中に)順位を考えられる余裕はないけど、毎日頑張ってアンダーパーを出せれば、笑って帰れると思います」。今年、大会を主催する日本ゴルフ協会(JGA)は創立100周年を迎えた。記念すべき大会で、記念すべき優勝を飾りたい。(文・牧野名雄)