右に行き続けたティショット 石川遼の最終日は「崩れず耐える日」

<ANAオープン 最終日◇15日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>

晴天が続いた輪厚コースだが、最終日は冷たい雨風が吹く難しいコンディションと化した。特に雨が強かった時間帯となる午前7時40分からスタートした石川遼は3バーディ・3ボギーのイーブンパーで回り、トータル6アンダー・44位タイで32歳最後の試合を終えた。
4日間を振り返り「決勝ラウンドもうまくいかなかったです。悪い日も当然あると思うので、崩れずに耐える日というふうに捉えています」と総括。前半からティショットを右に曲げる場面が多くあったが、それも「ドライバーでやりたいことがあって、よくしていくための、受け入れなければいけないミスの段階」と進化のための“犠牲”と受け入れている。

右からわずか5ヤードに切られた難しいピンポジションとなった8番のパー3では「逆にそれを使いました」と、今まで右に出ていたミスを上手く利用しながら、ピンよりさらに右サイドの狭いサイドに打つ、攻めのショットを披露しギャラリーを沸かせた。「ぜんぶ右の林に行っていましたが、右、左と交互に来るよりはオッケーとしていました。きょうは、そこと向き合えたのでよかった」と収穫もあった。それでも「ミスするなら『こっちだよね』というような、してもいいミスができればコントロールという意味では上がっていくと思う。まだまだそこができていない」と“宿題”も山積みだ。

そして、2日後の17日に33歳の誕生日を迎えるが、32歳をこう回想した。「きついこともつらいこともありました。スイングの見た目を変えることも大変なんですけど、それがよくなってきたときに、自分の内面とも向き合わないといけないですし。自分のメンタルの弱さを感じるときがあって、それを受け入れて、それをどうやって強くしていくか、向き合わないといけない期間がありました。優勝もあったけど、その前後も今も含めてまだまだの状態だなと思います」。

試合を重ねるごとに、収穫もあれば、課題にも悩む石川だが、過去を振り返れば着実に前に進んでいる実感はあると話す。「一年、二年前の今日と比べると明らかに自分が変えていきたい方向に変わっていっている。一日単位で見ると、『昨日より悪くなったな』ともどかしさを感じる時もあるんですけど、そういう毎日を過ごして、一年経つと前に進んでいる。それも自分が思っているよりもよくなっているということが多くて、つらくなると過去を見るというか、そういう風にしている」。33歳になっても飽くなきゴルフの探究心は変わらないだろう。(文・齊藤啓介)

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