
<ANAオープン 事前情報◇11日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72>
先週の日本、韓国、アジアンツアーの共催大会となる「Shinhan Donghae Open」を20位タイで終え、輪厚コースでプロアマ戦に参加した石川遼。今大会を終えると、17日にバースデーを迎えることとなり、32歳でプレーをする最後の試合となる。
韓国戦では3日目こそ『73』とオーバーパーを叩いたものの、それ以外はすべて60台でのラウンドということで「ゴルフの状態はいい」と頷く。全体的には納得の仕上がりではあるが、「細かい部分に課題を感じている」ともう少し煮詰める部分はあると話す。かなりテクニカルな話になるとのことでざっくりとした表現に留まったものの具体的には「入射角や、ラフからのアプローチの距離感」に課題を求めた。それでも「非常にポジティブ」と表情は明るい。
今大会は2015年に制している思い出の地でもある。「どうして優勝できたか正直分からない」と輪厚での勝利の方程式は導けていない。「それが分かるようになってこないと、(優勝の)再現はできないと思います。普段通りにプレーして、いい時は良い、悪い時は悪い、を繰り返していくだけだと、何も見えてこないので、コースが毎週変わる中でも高い確率で優勝争いをしたい。そこが今週の課題です」と話す。コースに対しては「フェアウェイの幅も狭く、硬い。先週はキャリーでボールが止まるようなコンディションであったので、そこは気を付けていきたい」と道筋を立てた。
試合が終わった翌週の17日は33歳の誕生日。 毎年、輪厚に来るとバースデーについて記者から質問が飛ぶが、「今までは、年を取ることが楽しみだったんですが、今は気が引き締まる思いです」という答えで笑わせた。07年に衝撃の初優勝を達成したのは15歳の時。あれから月日は流れ今は、「あと何年だろうという思いもあるし、それが長ければ長いほどいいし、それを望んでいる。そういうことを10代の時より考えるようになった」。
そして、今年で50回と節目を迎える今大会。「小さい頃からテレビで観ていた大会ですし、何回も出させていただいて、幸運なことに優勝もできて光栄」としみじみ。歴史が紡いできた伝統の一戦が今年も始まる。(文・齊藤啓介)