第74話 『音声認識』×『多言語対応』=?

株の神様の声が聞こえるというTさん。今日は、秋の夜長に虫の音を聞きながら、『音声認識』が有望な投資分野だという話をしています。神様が日本でここ数年確実に成長が期待できる関連分野があるとTさんに謎かけをしています。

T: 音声認識関連の成長分野ですよね。うーん、 通訳・翻訳のサービスはニーズが大きい ですよね。

神様: さすがですね。正解です。音声認識関連の中でも、外国人観光客向けのインバウンド需要は成長が期待できる分野です。

T: 2020年東京五輪に向けてますます需要が大きくなりますよね。

神様: そうですね。例えば、外国人が多く来訪する店舗において多言語で電話通訳を行うサービスを、音声認識の技術を持つ会社と多言語コールセンターを営む会社が提携して展開し始めています。導入すると24時間365日、訪日外国人との多言語応対を行えるようにになります。英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語に加えて、タガログ語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語なども対応できるようになるそうですよ。こうしたサービスは人気を集め、提供する会社も、導入した会社も成長が期待できそうです。

T: 飲食店はもちろん、交通機関や宿泊施設等、展開できる場所や場面が多そうですよね。

神様: 実際、富士山周辺の交通機関では、音声認識と多言語翻訳のアナウンス・サービスの実証実験が開始されたというニュースもあります。スマートフォンやタブレットの端末に英語等の翻訳結果を示し、音声合成によりアナウンスする音声翻訳サービスで、実証実験では、交通機関の発着やチケット購入の案内、天気予報などを中心にアナウンスを流すそうです。

T: それは便利ですね。逆に自分が海外旅行に行った時に、日本語でアナウンスしてもらえると、助かります。

神様: 日本では、東京五輪以外に、「ゴールデンスポーツイヤー」と言われる、2019年のラグビーW杯や2021年のワールド・マスターズといった外国人が大勢訪れるイベントがあります。これらの観光客の中の一定数がリピーターとなって、次は京都、北海道や沖縄、さらには日本らしい田舎へと足を運ぶようになる可能性があります。したがって、音声に限らず日本中の標識や案内板など、あらゆるものの多言語化が必要となってきますので、いわゆるインバウンド関連企業では、 直接的な観光関連企業だけでなく、多言語関連の技術や、通訳・翻訳サービス関連企業 について、よく調べると良い投資先を見つけられるかもしれません。

T: それにしても、これだけ音声認識技術が進化し、多言語の翻訳が自動化されてくると語学を学ぶ必要がなくなってしまうのではないでしょうか?

神様: そういう時代が来るかもしれませんね。その分、語学に時間をかけず、話す内容、例えば自国や相手の国の文化や歴史を学ぶとよいのではないでしょうか?

Tさんは、子供たちに、音声認識や多言語対応のような先端技術を活用して伸びる分野を教えると同時に、それが実現した時に、どんな社会になるかを考えさせようと思いました。そして、未来を考えることと同じくらい、自分の国の文化や歴史、海外の多様な国々の風土や暮らしを学ぶことが大事だなと感じました。

(この項おわり。次回11/1「名前は大事」を掲載予定)

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