師匠・伊澤利光からのリクエストは「隣に並ぼうぜ」 天本ハルカが目指す喜瀬での“師弟日本一”

<ソニー 日本女子プロゴルフ選手権 初日◇5日◇かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)◇6670ヤード・パー72>

師弟が同じコースで日本一のプロゴルファーに―。天本ハルカが、そんなドラマのようなクライマックスシーンに向け、第1ラウンドで好発進を切った。
インからスタートすると、12番パー5で残り208ヤードの2打目をグリーン手前まで運び、アプローチを寄せバーディを奪った。「ちょっと長いパー4だと思って攻めました」。そんなアグレッシブさが実り、続く13番も1.2メートルのチャンスを沈める。

「後半は少しピンチもあったんですけど、うまくしのぐことができました」。1番で2メートルのパーパットをねじ込むと、その後、さらに2つのバーディを上積み。結果的にボギーなしの快ラウンドを続けた。何種類もの芝が生い茂るラフが厄介なコースだが、「フェアウェイに置いた時は距離とジャッジをしながら、ラフに行ったときは無理せずパーを拾うことを目指した」という姿勢が、この結果につながった。

「伊澤さんが、ここで優勝していたのも知ってるし、レストランに飾ってある写真も見ています。コースが喜瀬ということで、話もしてきました」。このかねひで喜瀬CCは、天本の師匠・伊澤利光が、2007年「日本プロ選手権」を制した場所でもある。そして今年、女子プロゴルファーの日本一決定戦が初めて開催されることになった。天本にとって“縁”を感じずにはいられない。

レストランに飾られている写真は、スマホで撮影し師匠にも送った。「『きょうもお会いしました、こんにちはっ』て言ってます(笑)」。こんな挨拶も日課になっているようだ。「伊澤さんからは(写真で)『隣に並ぼうぜ』って言われました。この間、(シニアのマルハンカップ太平洋クラブシニアで)優勝もして、師匠からいい刺激も受けています」。2人で戦っている、そんな気すらしてくるコースだ。

もちろん、精神的な部分だけでなく、技術面でも頼りにしている。スイング動画を送り、そこからアドバイスを求めるのも日常茶飯事。「最近はシンプルにスイングができず、いろいろ考えていました」。それをクリアにするための助言を実践している。そしてコースに関するアドバイスももらい、送り出された。その言葉と、自分で目で確認したものをミックスし、戦いに挑んでいる。

7月「ミネベアミツミレディス 北海道新聞カップ」で右手首を痛め、それは心配ごとのひとつ。それもあり、先週は大事をとって棄権した。スイングの崩れも、この右手首をかばったことが原因で引き起こされる部分もある。そんな状態で記録した4アンダー・6位タイという結果だ。

「毎日コンディションを維持するのも大変。そのなかでいいスタートが切れたのはよかったです。無理なく、4日間自分のゴルフを貫けるように体調やコンディションを整えたい。そうすれば自然とゴルフの調子は上がってくると思う」

4月「パナソニックオープンレディース」でツアー初優勝を挙げたが、夏に入り3戦連続予選落ちを喫するなど、本調子とはいえないのが現状だ。師匠の顔、そして言葉に支えられながら、“リクエスト”に応えたい。(文・間宮輝憲)

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