稲見萌寧がリディア・コを撃破 東京五輪で死闘の末に銀メダル【東京五輪プレーバック】

松山英樹の銅メダルに沸いた「パリ五輪」のゴルフ競技。男子が終わり、今週は7日から女子競技が行われる。日本代表は「全米女子オープン」チャンピオンの笹生優花と「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」2位の山下美夢有。最強ペアが日本勢の2大会連続メダル獲りに挑む。
3年前の「東京五輪」は“ホーム”で、大ブレイク中だった稲見萌寧がゴルフ競技として日本勢初のメダルを獲得。銀メダルを胸にさげ、一躍時の人となった。

初日を首位と4打差の16位で滑り出すと、2日目は「65」をマークし6位に浮上。だが米国代表のネリー・コルダが「62」を叩きだし独走状態に入ったことで、6打差がついた。

3日目は伸び悩んだネリーだったが、それでも首位をキープ。稲見は5打差の3位まで浮上し、メダルを争う位置で運命の最終ラウンドを迎えることとなる。

酷暑の最終日、稲見が序盤から猛烈に追い上げた。前半を4バーディ・2ボギーで2つ伸ばし、首位のネリー、リディア・コ(ニュージーランド)、アディティ・アショク(インド)とは2打差。メダルも現実味を帯び、勝負のバックナインに入った。すると12番から4連続バーディで一気にメダル争いの中心へ。17番でもバーディチャンスを迎えると、ここで雷雲接近のため競技は一時中断した。

およそ45分の小休止ののちに再開すると、このバーディパットを決めてネリーに並び首位タイで最終ホールへ。ただ、ここでドラマが待っていた。グリーンを狙った稲見の2打目は手前バンカーにつかまり、しかも目玉。ここをボギーとし、1打ビハインドのまま先にホールアウトすることになった。そのまま最終組のネリーに振り切られ、金メダルを逃すことになる。

だが金を逃しても、銀の可能性は残した。同スコアで並んだリディアとのメダル確定プレーオフに突入。確実にパーをセーブした1ホール目でリディアが2.5メートルのパーパットを外し、日本ゴルフ界に史上初となる五輪メダルの銀をもたらした。

「今までのプレーオフよりも楽しめた。メダルは決まっている状態なので、あとは勝つか負けるか。私の好きな選手でもあるリディアさんとプレーできて楽しかったです」

こう振り返り、笑顔を見せたメダリスト。当日はスタート前に練習グリーンで背中のケアを受けていた。呼吸が苦しかったと明かしたように、体調は万全ではなかったが、そのなかでつかんだ栄光。コロナに翻弄された東京五輪に、光が差した瞬間だった。

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