パリ五輪女子ゴルフの強敵はスウェーデン勢? 代表チームに隠された“ジュニア育成方法”とは【カメラマン南しずかの米ツアー小話】

畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、今季からは西郷真央らが新たにメンバー入りし、日本勢9人が出場している米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のおもしろ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?

近年、アジア勢が席巻する女子ゴルフ界で忘れていけないのはスウェーデン勢だ。レジェンドのアニカ・ソレンスタムを筆頭に、強い選手を輩出し続けている。その秘訣は『ジュニアの育成システムが良いから』と、同国出身でツアー通算9勝(うちメジャー3勝)のアンナ・ノルドクビストが教えてくれた。

その育成環境はどのようなものだろうか。「代表チームに選出されたら、一年中、ゴルフ協会からサポートを受けられることができる。北欧のスウェーデンではゴルフ場でプレーできる時期は5月から10月と限られていて、合宿や大会出場のチャンスが存分に与えられる。外でゴルフができない期間は室内でシミュレーションゴルフをしたり、トレーニング施設を利用できるようになっています」。ジュニア選手が上達するための環境作りが整っているということだ。

また、良い先輩たちがいることでジュニアのモチベーションはより高まるという。「私がジュニアの時は、米ツアーでアニカ・ソレンスタムさんやヘレン・アルフレッドソンさんが活躍してた。『よし、先輩たちができるんだから私も頑張ろう!』って」。偉大な先輩たちこそが目指す姿だ。

アルフレッドソンからは直接、アドバイスを受けたこともあった。先輩から刺激を受けるだけではなく、2016年にはジュニア合宿に参加し、“後輩”に積極的に自分の技術や知識を伝えたこともある。そこには12~18歳の約90人が集まった。「ちょっとでも自分が力になれればと思って行ったのに、後輩たちが真剣に取り組む姿を見て、私が刺激をもらった。その翌週に開催されたショップライト・クラシックで優勝できたものそのおかげだと思っています」。

ノルドクビストが「リオ五輪」と「東京五輪」に出場したときは、全面的にサポートするため、ジュニア時代のコーチが代表チームに加わったという。昔から自分を知っているコーチからアドバイスを受けることができ、ノルドクビストが米ツアーの現状を伝えることで、ジュニアには最新の情報が伝わった。上の世代から次世代のジュニアまで積極的に情報共有する。それが、次々にトップ選手が出てくる理由でもある。

そんな強豪国スウェーデンからは、いま最も勢いのある2選手が「パリ五輪」へ参戦する。ユニクロが担当した公式ウェアに身を包み、いずれも五輪初出場となるのは、マヤ・スターク(24歳・ツアー1勝)、リン・グラント(25歳・ツアー1勝)だ。慣れ親しんだヨーロッパの地で、スウェーデン勢初のメダル獲得なるか。現地時間7日に、いよいよパリ五輪の女子ゴルフ競技が幕を開ける。(取材・文/南しずか)

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