ラフからもパワーで飛ばす竹田麗央 芝に負けないためには強く握ってボディターン!【優勝者のスイング】

今季4勝目を逆転で飾った竹田麗央。3打差を追った最終日は、前半で4バーディを奪い首位グループに追い付くと、後半もスコアを伸ばし首位タイで迎えた18番パー5では、3打目を2メートルに付けてバーディ、勝利を決定付けた。
舞台となった札幌国際カントリークラブ 島松コースは、比較的フェアウェイが狭くラフからのショットもポイントだった。プロコーチの南は、「最終ホールのセカンドでラフからフェアウェイウッドで打ったショットは素晴らしかったですね。アメリカでの試合も経験し、その辺りの対応力も上がっているので、今後の活躍が楽しみです」と期待。首位で並んだ最終ホールは、ティショットをラフに入れたものの、セカンドでグリーン手前に運び、サードショットでピン2メートルにつけバーディ。勝利を呼び込むショットとなった。

竹田のようにラフからのショットを成功させるには、どうすればいいのか。まずは状況判断が大事だと南。「ボールが浮いているか、沈んでいるか、状況によって打ち方が変わってきます。ボールが浮いていれば、多くを考える必要はなく、ヘッドをボールの高さに合わせて構えて打てばいい。一方で、ボールが沈んでいたら、グリップをしっかり持って、ボディターンで打つことがポイントになります」。

ラフでボールが沈んでいるケースでは、インパクトで芝の抵抗に負けてボールが飛ばないのがミスの典型だろう。そこで、芝に負けないために、しっかり握り、ボディターン重視のスイングが必要になる。

「腕や手先を使うとヘッドが走ろうとして芝の抵抗に負けやすくなります。特にパワーのない人はこの傾向が強くなります。腕や手先はなるべく使わず、もっと力が出せる体全体で振ること。そのために、グリップは目一杯の力でしっかり持ちます。バックスイングでは、肩の回転をやや縦方向に、トップを高くすることでヘッドが上から入り芝の抵抗を軽減できます」。ボディターンを意識して、肩を横に回せばクラブが寝て入り芝の抵抗を受けやすくなってしまうので要注意だ。

さらにボディターン重視で打つためのポイントがある。「トップで左ヒジを張る意識を持てば腕がロックされて体が回りやすく、フォローではクラブを振る高さを“肩の高さまで”とすることで、腕の振り過ぎを抑えられます」。腕を突っ張らせてフォローも小さくすれば飛ぶ要素はなくなるが「飛ばす時と反対のことをすれば、芝に負けなくなります」。

ラフでボールが沈んでいる時はマネジメントも大事になる。無理にグリーンを狙わず、フェアウェイに戻すことを考えたい。「ヘッドスピードが40m/s前後なら、ショートアイアンでもフライヤーはしにくく、反対に思うようにスピンがかからずドロップしやすくなります。キャリーの飛距離は1クラブ程度落ちる反面、フェアウェイに落ちればランが出やすくなります。いつもとは弾道のイメージを変えて狙いを定めてください」。

竹田のようにラフから長いクラブで飛ばすには、ボールのライが大きく左右する。しっかりと状況を見極め、的確な判断、打ち方をするのが夏ラフの攻略法となる。

■南秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。新宿中央クリニック所属。

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