
パリ五輪が26日にいよいよ開幕。ゴルフ競技は8月1日(木)から行われ、今年は笹生優花と山下美夢有が出場する。そこで前回の東京オリンピックでの日本代表たちの戦いを振り返ろう。
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コロナ禍で史上初の延期、無観客で行われた東京五輪。霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県)を舞台に行れ、畑岡奈紗と稲見萌寧が出場。3日目を終えた時点で首位のネリー・コルダ(米国)がトータル15アンダー。5打差のトータル10アンダー・3位タイに稲見萌寧。さらに2打差の7位タイに畑岡が位置していた。
普段の試合では馴染みのない“メダル争い”が決着する最終日。稲見は出だしの1番でバーディを奪うなど前半でスコアを2つ伸ばすと、折り返しての12番から4連続バーディ。さらにバーディパットを打つ前に中断となった実測253ヤードの17番では、ティショットはグリーンから大きく右のラフへと外れるミスショットも、2打目のアプローチをピンまで4メートルの位置に寄せてバーディ。トータル17アンダーでトップと並んだ。
そして、迎えた436ヤードの最終18番パー4。稲見のドライバーの飛距離では、セカンドは長い距離が残る。初日、2日目はバーディを獲ったものの、3日目はピンまで残り195ヤードのセカンドショットをユーティリティでグリーンの奥に外しボギーにしていた。
ティショットはフェアウェイをキープするもののピンまで残り178ヤード。5番ユーティリティで打ったセカンドショットはグリーン手前のバンカーへつかまった。直前の雨で目玉になってしまったボールはピンから9メートルのところに落ち、2パットでボギー。この時点で最終ホールをパーとしていたネリーの金メダルが確定。トータル16アンダー・2位で並んだ稲見とリディア・コ(ニュージーランド)が銀メダルをかけたプレーオフに突入した。
プレーオフ1ホール目、稲見のティショットはさきほどより10ヤード先にフェアウェイを捉えたのに対し、コはフェアウェイバンカーのアゴ近くに落下。このホール2オン2パットでパーとした稲見がコを下し、日本ゴルフ史上初となる銀メダルを獲得した。
一方、畑岡奈紗はトータル8アンダーから出た最終日、「最低でも7つ伸ばさないと表彰台には届かないと思っていた」とメダル圏内へ追い上げを目指したが、3バーディ・1ボギーの「69」でホールアウト。トータル10アンダー・9位タイで東京五輪の4日間を終えた。
畑岡は五輪に照準を合わせるため、メジャー大会「エビアン選手権」を欠場。「もっと調子を上げたかったけど、それが出来なかったのが本当に悔しい」と振り返った。そして、一緒に五輪を目指してきたキャディのグレッグ・ジョンストン氏が、腰痛のため最終日をリタイア。男子で星野陸也を担いだ薬丸龍一キャディに交替していた。「グレッグとは、ずっとこの東京五輪を目指してやってきたから、本当は4日間一緒に戦いたかった」と、少し寂しい締めくくりとなった。