
<アムンディ・エビアン選手権 初日◇11日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
会心の一打で溜飲を下げたのは、日本ツアー女王の山下美夢有だ。2バーディ・2ボギーのイーブンパー・52位タイと不満が残る初日となったが、16番パー3では目の覚めるような一打を披露した。
16番で最初にホールインワンを達成した選手には、副賞としてポルシェが贈呈されることになっていた。山下が放ったティショットはピン手前3メートルに着弾し、ピン方向へ。高級車ゲットの夢を乗せたボールは、惜しくもカップに20センチ届かず。楽々バーディを奪ったものの、「ほんまに入ってほしかった」と口惜しい一打となった。
もちろん、ほかの選手がエースを達成しなければ2日目以降に“キャリーオーバー”となる…はずだったのだが、実は午前組で回ったジョディ・エワート(イングランド)が一番乗りでホールインワンを記録していた。つまり、山下が16番パー3に入った時点で、ポルシェ獲得は“幻”だったという訳だ。
ただ、16番でのスーパーショットが今後につながるのは間違いない。上位浮上に向けて課題になるのはパー5。「ボギーも打ってしまっているし、チャンスをつかめ切れてない。そこが(イーブンという)スコアにつながっている」。トップは7アンダーと伸ばし合いの様相を呈しているだけに、チャンスホールでの取りこぼしは厳禁だ。
2日目は午後から雨予報で、雷の恐れもある。山下は幸いにも朝からのスタート。上位との差を詰めるためには、生命線のショット復調がカギを握りそうだ。ポルシェは夢と消えたが、メジャー初Vという最高の栄誉はまだ残っている。