“悲劇のヒーロー”は憧れのアイドル ブライソン・デシャンボーが全米2勝目へ3打リード

<全米オープン 3日目◇15日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70>

ブライソン・デシャンボー(米国)が抜け出した。1打差の2位で決勝ラウンドに進むと、3日目は6バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの「67」でトータル7アンダー・単独首位に浮上。2位に3打のリードを持って、2020年以来の大会2勝目を目指す。
「アメージング。きょうはいいパットがたくさんあった」。4番でボギーが先に来ても、5番パー5でバウンスバック。1つ伸ばして後半を迎えると、10番、11番と連続バーディを奪取した。16番パー4ではパインハーストの落とし穴にはまり、4オン2パットのダブルボギーを喫したが、直後の17番パー3で6つ目のバーディを奪った。

この日のパーオンホールの平均パット数は「1.46」で全体1位。「ファンの応援に感謝してもしきれない。僕を興奮させてくれたよ」。大声援を浴びながら18番のグリーンを降りると、笑顔が弾けた。

全米は2015年大会から、10年連続10回目の出場。その歴史が始まる1年前、14年大会は同地での開催。デシャンボーは今年、パインハーストに初めて足を踏み入れた。ここでの全米開催は4回目。1999年に初めて開催されたとき、勝利したのは故ペイン・スチュワート。その4カ月後、飛行機事故により42歳の若さでこの世を去った“悲劇のヒーロー”だ。

当時デシャンボーは5歳だったが、彼こそがデシャンボーのアイドルだった。

南メソジスト大学(SMU)に進学を決めたのは、大学内の壁にスチュワートが描かれていたから。「面白いことに、彼がSMUに通っていたことを知らなかった。その壁画を見たときが、僕がSMUに通うことを決めた瞬間だったのかもしれない」。スチュワートとベン・ホーガンに憧れ、デシャンボーの“代名詞”にもなったハンチング帽を被るようになった。いまではLIVゴルフのチームキャップを被っているが、その想いは変わることはなく、代わりにキャディバッグにハンチング帽をぶら下げている。

デシャンボーが米ツアーで初優勝をしたのは、17年「ジョンディアクラシック」。その35年前、82年大会でスチュワートも同じように米初優勝を飾った。そんなところにも縁を感じている。

スチュワートがパインハーストを制してから25年。デシャンボーにも勝利のチャンスが巡ってきた。「あしたもこれまでと同じことを言うよ。グリーンの真ん中は動かない。だからグリーンに乗せて、2パットで決めていく」。今年の「マスターズ」は6位、「全米プロ」は2位。そのリベンジの先に、スチュワートが見た景色が待っている。

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