
<全米オープン 事前情報◇12日◇パインハースト・リゾートNo.2(米ノースカロライナ州)◇7548ヤード・パー70 >
海外メジャー第3戦の「全米オープン」が13日(木)から開幕する。開催124回目を迎えるのに先立ち、タイガー・ウッズ(米国)が2位と15打差をつけた2000年大会の歴史的圧勝劇を振り返る。
ペブルビーチ・ゴルフリンクス(米カリフォルニア州)で開催100回目を迎えた記念大会。当時24歳だったタイガーは3日目終了時点で2位と10打を離し、ツアー史上最多差を記録していた。最終日は3日目に唯一アンダーパーをマークし30位タイから2位へ浮上したアーニー・エルス(南アフリカ共和国)とのラウンド。4バーディ・ボギーなしの「67」でまわり、ただ一人アンダーパーフィニッシュ。トータル12アンダーで完全優勝を飾った。
当時のシーンを振り返る。
16番で4.5メートルのパーパットをしずめるとタイガーは大きくガッツポーズを見せる。当時のことを「最終日はボギーなしで回ることが目標だった。いつもの自分のプレーをすれば、誰かが60を打たない限り追いつかれない。ミスをしないマインド設定ができたから、もし危ないところにいてもボギーを打たない方法を見つけられると思った。だからあのパットとパーはみんなが感じた以上にうれしかった」と振り返る。
最終18番パー5は1打目を4番アイアンでフェアウェイに運ぶと、2打目は7番アイアンでレイアップ。3打目をウェッジでピン左へ乗せた。バーディを狙ったが1.2メートルオーバー。「オーバーしたことにイラッとしたけど、最終日耐えてきたボギーなしのラウンドを台無しにしたくなかった」と気持ちを切り替え、パーでホールアウト。最高な1週間の締めくくりとなった。
2位タイのエルスとミゲル・アンヘル・ヒメネス(スペイン)がトータル3オーバーで終え、タイガーはメジャー史上最多の15打差で圧勝。最多差優勝記録を138年ぶりに塗り替えた。エルスは「6ホール後もう勝ち目はないことはわかっていたからタイガーとのラウンドを楽しもうとした。信じられないくらいすごかった」と話した。
当時、大会史上初の2桁アンダーで圧勝劇を演じたタイガーは米ツアー通算20勝目を挙げ、優勝賞金80万ドルを手にした。さらには同年の「全英オープン」、「全米プロゴルフ選手権」、翌年の「マスターズ」を制覇し、メジャー大会4連勝の偉業を成し遂げた。