
<全米女子オープン 2日目◇31日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583ヤード・パー70>
今年の“女子ゴルファー世界一決定戦”も、予選ラウンドを終えアンダーパーがわずか4人と過酷な戦いが続いている。21人が出場した日本勢は14人が決勝ラウンドに進出したが、世界のビッグネームたちも2日間で姿を消す“波乱”の大会になっている。
そのなかで最大のサプライズは今季出場5連勝を含む6勝を挙げ、世界1位の座に君臨するネリー・コルダ(米国)だろう。4月の「シェブロン選手権」に続くメジャー2連勝がかかる舞台だったが、初日の12番パー3で『10』を叩いたことも響き、トータル10オーバー・83位タイで決勝行きを逃した。2日間を終え、「失うものは何もなかったから、とにかく全力を尽くそうとした。ティショットがうまくいかなかった。カットラインに入ることは大変だったよ」と無念の心境を語る。
また前回、ここランカスターCCで行われた全米女子オープンを制したチョン・インジ(韓国)のコース連覇への挑戦もここで終了。初日に「75」と出遅れると、2日目も「77」と狂った歯車は戻らず、トータル12オーバー・105位タイでメジャー4勝目はお預けになった。
開幕前に今季限りでツアーの第一線から退くことを発表していたレクシー・トンプソン(米国)もトータル13オーバーで予選落ち。2007年に当時最年少の12歳で予選会を突破し初出場して、18年連続での出場。そして最後の全米女子オープンが終わった。「ゴルフを除けば、素晴らしかった。引退を発表して、特別な1週間になった。ボギーでも『ゴー、レクシー!』という声援に感動して笑顔になれた」。会見中には涙も見せた。
この他にも、今季1勝のリディア・コ(ニュージーランド)、メジャー通算2勝のブルック・ヘンダーソン(カナダ)、新進気鋭のローズ・チャン(米国)らが脱落。大会歴代覇者もインジのみならず、ディフェンディングチャンピオンのアリセン・コープス、ブリタニー・ラング(ともに米国)やアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)が4日間を走り切ることなく大会を終えた。
日本勢は米ツアー組の稲見萌寧、西郷真央や、昨年の「日本女子プロ選手権」を制した神谷そららが涙をのんだ。
トータル8オーバー・59位タイまでに入った75人が、あすからの決勝ラウンドに挑む。だがそのスタートを前に全米タイトル獲得の難しさが改めて伝わる結果になった。