大会史上最も記憶に残るフィニッシュ 朴セリから始まった韓国勢の躍進【2000年代全米女子OP】

1946年から始まった「全米女子オープン」の初代優勝者は、米国女子ツアー通算60勝(メジャー15勝を含む)の故パティー・バーグ。第1回大会はホールごとに勝敗を競い合うマッチプレー方式で行われ、賞金総額は1万9700ドルだった。67年大会ではアマチュア選手として唯一、カトリーヌ・ラコスト(フランス)が優勝。その後30年間はアメリカ勢の活躍が目立ったが、98年に朴セリ(韓国)が20歳9カ月で史上最年少優勝(当時)を飾って以降は、韓国勢が席巻した。
今まで全米女子オープンを制した韓国人選手は朴セリ(1998)、バーディ・キム(2005)、インビー・パーク(2008、13)、ジ・ウンヒ(2009)、ユ・ソヨン(2011)、チェ・ナヨン(2012)、チョン・インジ(2015)、パク・ソンヒョン(2017)、イ・ジョンウン6(2019)、キム・アリム(2020)の10人。そのうちバーディとインジは初出場での優勝を果たしている。

■98年大会 朴セリの92ホールに渡る死闘

当時20歳だったセリと当時アマチュアだったジェニー・チュアシリポーン(米国)の20ホールにも渡るプレーオフの末、最後は4.5メートルのバーディパットを沈めたセリが韓国人として大会初優勝を飾った。正規の72ホールと合わせた92ホールの試合は女子プロゴルフ史上最長記録。記録にも記憶にも残る結末となった。この偉業が韓国女子ゴルフに火を付け、『セリに続け』と多くの選手が渡米するきっかけを作った。また、5月「マクドナルドLPGA選手権」(現KPMG全米女子プロゴルフ選手権)での完全優勝に続き、同年メジャー2冠は史上6人目の快挙となった。

■11年大会 ユ・ソヨンが同じ韓国のセオ・ヒーキョンとプレーオフ

ブロードモアCC(コロラド州)で開催された同大会は、連日の悪天候により4日間で全日程を消化できず、月曜日に競技が持ち越された。1打差2位で3ホールを残していたユ・ソヨン(韓国)が、トータル3アンダーで既にホールアウトしていたセオ・ヒーキョン(韓国)に追いついてホールアウト。勝負は16番、17番、18番の3ホールによるストロークプレーのプレーオフに持ち込まれ、ソヨンが圧倒。米ツアー初優勝をメジャーの舞台で挙げた。同大会はトップ10に6人の韓国選手が入った。

■12年大会 チェ・ナヨンが朴セリと同じコースでメジャー初制覇

舞台はブラックウルフラン・コンポジットC(ウィスコンシン州)。後続に6打の大差をつけて最終日をスタートしたナヨンは、4バーディ・2ボギー・1トリプルボギーの「73」と苦しんだ。それでも3日目までの貯金を生かし、2位のエイミー・ヤン(韓国)に4打差をつけて圧勝した。この14年前、当時10歳だったナヨンは、朴セリが同じコースで韓国勢として初めて全米女子オープンを制したのをテレビで観戦していた。それがプロを目指すきっかけとなり、「夢がかなった」と憧れ続けた舞台でうれしいメジャー初勝利を果たした。

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