「この試合で決めないといけない」 古江彩佳が挑むパリ五輪代表争いの天王山…一方、他の選手の心境は?

<全米女子オープン 事前情報◇28日◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇ 6583ヤード・パー70>

今夏に開催されるパリ五輪の女子ゴルフ代表が決まるのが6月24日。世界ランキングを基に作成される五輪ゴルフランキングにおいて、原則、各国の上位2名になることで出場権が得られる。そのリミットまで日米ツアーともに残るは4試合。日本代表争いも、いよいよ“最後の直線”に入る。
現在、世界ランク25位で日本勢3番手に位置する古江彩佳は、「行くなら、この試合で決めないといけないと思ってる。しっかり頑張らないといけない試合だなと思います」と気合を込める。ポイント配分が大きいメジャー大会で上位に食い込み、代表圏内に再浮上することを青写真として描いている。

状況をまとめると、日本勢トップは世界18位の畑岡奈紗。2番手に同23位の山下美夢有が続き、古江がその背中を追っている…、という構図だ。さらに同30位には笹生優花、同39位に岩井明愛と、後続にも勢いのある選手が控えている。誰が出場権を得てもおかしくない混沌とした状態といえる。

2021年に開催された東京五輪でも最後まで争いに加わった古江は、そのときは3番手に終わり涙を飲んだ。「振り返ってみると、東京五輪は悔しかった。そう考えるのは、出たかったから。それならだまっているより“出たい”という意識を出そうと思って口にしています」。そう話したのは、今季開幕戦だった1月の「ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」の会場だった。パリへの強い思いを口にし続けてきた半年でもあった。先日27日に24歳の誕生日を迎えたバースデーウィークに、レースを優位に進めるような結果を残したい。

一方、2番手の山下は自然体を強調。今週のメジャーについても、「普通の一試合としてやりたい。この難しいセッティングでいかに上位で戦えるかが重要になってくる」と、ランカスターCCでの活躍だけに集中する。五輪への意欲は、ここまでも示しているだけに、“人事を尽くして天命を待つ”という心境といえそうだ。また畑岡も「あまり(五輪のことは)考えていない。この試合に向けてずっと準備してきたので、まずはしっかりといい成績を残せるように頑張りたい」と、山下と同じスタンスを示す。

リミット直前にある米国ツアーの試合は、「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」(ワシントン州・サハリーCC)ということもあり、残る4試合のうち2試合はメジャー大会でもある。最後までスリリングな展開も予想されるが、今週の“天王山第一幕”で、いったいどんな変動が起こるのだろうか?(文・間宮輝憲)

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