37歳ジルー、MLSのLAFC加入が正式決定…3年間在籍したミランでは11年ぶりスクデットに貢献

 ミランは13日、同クラブに所属するフランス代表FWオリヴィエ・ジルーが今季限りで退団することを発表した。そして14日、MLS(メジャーリーグ・サッカー)のロサンゼルスFC(LAFC)が正式にジルーの加入を伝えた。

 ジルーは1986年9月30日生まれの現在37歳。母国のグルノーブルのアカデミーで育ち、同クラブのトップチームでプロキャリアをスタートさせた。レンタル移籍による“武者修行”も挟みながら、2010年夏に完全移籍加入したモンペリエでは、2年目の2011-12シーズンにクラブ史上初となるリーグ・アン優勝に大きく貢献。自身も36試合のピッチに立って21ゴールを挙げ、得点王に輝いた。

 リーグ・アン得点王の実績を引っ提げ、2012年夏にはアーセナルへ完全移籍加入。プレミアリーグ初挑戦ながら、初年度から不動のセンターフォワードに君臨した。5シーズン連続でプレミアリーグ2桁ゴールを記録するほどの得点力はもちろんのこと、ポストプレーや前線からの守備でも力を発揮し、3度のFAカップ優勝に貢献。2018年1月に加入したチェルシーでは、不動の主軸として活躍した期間は限られていたものの、主力の一角として3年半にわたって活躍を続け、FAカップ、ヨーロッパリーグ、そしてチャンピオンズリーグ(CL)などのタイトル獲得を経験した。

 2021年夏にはミランと2年契約を締結。加入初年度の2021-22シーズンはセリエAで29試合出場11ゴールを記録し、クラブにとって11年ぶりとなるスクデット獲得の原動力となった。続く2022-23シーズンもセリエAで33試合出場13ゴールという安定した成績を残しただけでなく、CLでも全12試合のピッチに立って5得点を挙げるなど、ミランのベスト4進出に貢献。今季もここまで公式戦45試合に出場して16ゴール9アシストを叩き出し、攻撃の軸として君臨していた。

 また、モンペリエに在籍していた2011年にはフランス代表デビューを飾っており、その後はFIFAワールドカップ、EUROともに3大会連続で出場。FIFAワールドカップロシア2018では主力として“レ・ブルー”を支え、母国の5大会ぶり2度目の優勝に大きく貢献した。

 37歳となった現在も輝きは色褪せないが、ジルーは今季限りでのミラン退団を決断。ミランを通して「ミランとの物語は今シーズン限りで終了だ。このクラブで過ごした時間は、永遠に僕の心の中に刻まれるものだよ」と感謝の言葉を伝えただけでなく、「僕は今後もキャリアを続けるつもりで、MLSに行くことになるだろう」と、新天地がアメリカになることを明かしていた。

 イタリアメディア『スカイスポーツ』など複数のメディアによって、ジルーの新天地はLAFCになると報じられていたが、14日にLAFCがジルーの加入を正式発表。1年の延長オプションが付随した2025年末までとなる契約を締結した。

 加入に際し、ジルーは次のような言葉で意気込みを明かしている。

「LAFCに加入ができることを嬉しく思っているし、興奮している。ロサンゼルスに行って3252(LAFCのサポーターグループ)と素晴らしいファンたちの前でプレーするのが待ちきれない」

 LAFCは2014年創設の新興クラブで、2018年よりMLSに参戦。2019、2022シーズンには、MLSのレギュラーシーズンで東西を問わず最も勝ち点を積んだクラブに与えられる賞のサポーターズ・シールドに輝いており、2022シーズンは東西の上位5チームずつが参戦するプレーオフのMLSカップでも優勝を果たした。過去には元ウェールズ代表FWガレス・ベイル氏や元イタリア代表DFジョルジョ・キエッリーニ氏らが在籍していたことでも知られ、現在のチームにはかつてトッテナムを中心に活躍した元フランス代表GKウーゴ・ロリスが所属している。

 今シーズンのLAFCは、ウェスタン・カンファレンス(西地区)12試合を終えた段階で5勝3分4敗の成績を残し、勝ち点「18」を獲得。現在は5位につけている。

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