本番で使わないのになぜ? アプローチの名手・青木瀬令奈は“1ヤード”の距離感を作っていた!

昨シーズン、キャリアで初めて年間複数回優勝を達成した青木瀬令奈。昨年のドライビングディスタンスこそ平均224.2ヤードで全体89位だが、フェアウェイキープ率4位のティショットの正確性に加え、リカバリー率3位、サンドセーブ率2位、1ラウンド当たりの平均パット数1位と、ショートゲームの技が光った。
そんな青木のアプローチ練習が面白い。「距離感を磨くためには、1ヤードずつ打ち分ける練習が効果的です」。普通の選手は30ヤードや50ヤードといった基準の距離を作り、そこから振り幅や力加減を変えて隙間の距離を埋めていく。しかし青木は「1ヤード、2ヤード…と1ヤード刻みで徐々にキャリーを伸ばしていって20ヤードまで打ち分ける練習を普段から行っています」と話す。

本番ではほぼ使うことのない“1ヤード”の距離を練習するツアープロはあまりいない。なぜそんな練習をするのだろうか。

「はっきり言って、1ヤードを打つのは難しいです。短い距離ほど正確にコンタクトしないと球が上がってくれませんから。大事なのは手先で打とうしないこと。ヘッドの重みを感じながら、頭を軸に振り子運動をイメージして胸を回します。そうすれば、1ヤードの距離でも正確にボールを拾えるようになる。アマチュアの方はまず、1ヤード刻みで5ヤードまでを打ち分ける練習をしてみてください」

実際に青木が1ヤードのキャリーを見てみると、手先で合わせることなくしっかり上体を回転させている。だから緩みやすいピン近のアプローチでも、しっかりボールの芯をヒットして止めることできるのだ。

■青木瀬令奈
あおき・せれな / 1993年生まれ。群馬県出身。昨シーズンのドライビングディスタンスは全体89位と飛ぶ方ではないが、正確なウッド類とショートゲームを武器に自身キャリア初の年間2勝を挙げた。

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