新設された『グリーンティ』で2025年問題は解決するのか? ゴルフを再開する70代ゴルファーが目立っている

2025年問題のカギとなる70歳代ゴルファーの動向に、明るい兆しが見えてきている。戦後のベビーブーム(1947~ 1949年)に約800万人が誕生したいわゆる「団塊の世代」が、後期高齢者となるのが2025年。社会的には医療費や介護費の増大や少子高齢化による人手不足が深刻な問題として指摘されている。
ゴルフ界も無縁ではなく、体力の衰えや免許の返納、経済的な理由などでゴルフをやめてしまうゴルファーが増大することも懸念されている。それに伴うゴルフ場会員権の預託金返還問題もゴルフ場の経営を圧迫している。
 
だが4月1日配信の「ゴルフ特信」(一季出版)は、スポーツ庁が3月19日に発表した令和5年度の「スポーツの実施状況に関する世論調査」の性・年代別等の結果を詳細に分析。『2025年問題が迫り、70代の参加人口減少が目立つかと思いきや、70代は再開が目立ち、他の年代の離脱が目立ったのだ』と独自の視点で指摘した。
 
これは歓迎すべき兆候といえるかもしれない。NGK(日本ゴルフ経営者協会)の大石順一専務理事はこの現象について「多分、団塊世代のちょっと下ぐらい、ちょうど74、75歳(のゴルフ人口)が一番多いから。コロナ禍の頃から、この指摘はありました。要は、体を動かすのに、ゴルフが安全だと思って、ということ」と見解を示す。
 
「2025年問題」の核は、団塊の世代が2025年に後期高齢者になること。体力的な衰えから家にひきこもりがちになり、「フレイル・サイクル」(加齢とともに筋肉量などが低下し、身体機能が衰えることをフレイル状態と呼び、食欲低下による栄養不足など他の要因も重なって悪循環に陥いる現象)から、要介護状態に入ってしまうこと。しかし、この世代のゴルファーは元気で、懸念されるリタイヤに至っていないのだ。
 
現状を後押しする方策がある。千葉夷隅ゴルフクラブの岡本豊代表取締役社長がこう明かす。「ゴルフを継続していただくために、(18ホール4000ヤード台)の『グリーンティ』を新設し、5つあるティを色で呼ぶことにしました。どのティを使っても自由で、楽しくプレーしていただいています」。
 
ゴルフをやめる理由の一つが「体力が落ちて、飛ばせなくなり、ゴルフがつまらなくなった」というもの。グリーンティは70代のゴルファーのプレー継続に役立っているという。また、グリーンティは初めてプレーする若いプレーヤーたちにもうってつけ。コロナ禍に入ってきた若い世代のつなぎとめにも一役買っているという。
 
そもそもゴルフはそれぞれの体力や筋力に合ったティを選択してプレーするからこそ、老若男女が長く楽しめる。それができたときに2025年問題も恐れるに足らず、となるのかもしれない。
 
文/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗
 
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