新しいクラブの試打はどこでやるのがいいのか問題 「コースがいい」と言われる本当の理由が意外だった【フィッターここだけの話】

クラブを選ぶとき、「本当に自分に合ったクラブを見つけたいなら、コースで試打すべき」ということを言う人がいます。なぜそういうことがいわれるか? ほとんどのゴルファーは、「コースでないと、そのクラブの本当の球筋や飛距離が分からないから」だと思っているようですが、実はそれが大きな理由ではありません。
コースで試した方がいいのは、他のクラブとの相性の問題です。もしドライバーを新モデルにした場合、ドライバーと同じようにアイアンも気持ち良く振れるかどうかが重要。このことを確かめるために、「コースで試した方がいい」といわれるのです。

例えば、「ダイナミックゴールド」(トゥルーテンパー)が装着されているアイアンセットに、「SPEEDER NX BLACK」(フジクラシャフト)を装着したドライバーを放り込んだらどうなるか?

ご存じのようにNX BLACKは先調子のシャフト。しかも全体しなりで手元側がしっかりしていて、先に行くにしたがって柔らかくなるというモデルです。そういうシャフトと元調子のダイナミックゴールドを組み合わせたら、高い確率でセカンドはシャンクか右にすっ飛んでいきます。そして、その右へすっ飛ばしたイメージを持ったまま次のティショットを迎えると、今度はつかまえに行き左に大きく曲げてしまうということになりかねません。

こういう状態になるということは、どちらかが合っていないということなんですが、どちらが本当に自分に合っているかはなかなか分からないもの。「クラブの相性に問題あり」と気づくのはまだましな方で、最悪なのは自分のスイングを疑ってしまうこと。もしそうなると、何が正解か分からなくなってしまいます。

「セットの中に組み込んで大丈夫なのか」「新しく入れるモデルも、今気に入っている振り心地で振れるかどうか」。私はこれを“振り合わせ”と呼んでいますが、クラブ選びにおいて振り合わせは重要なポイントになります。

それがよく分かるのがコースなので、コースで試しましょうというアドバイスになるのです。
もちろん、その振り合わせをコースに行っていきなり確かめるのではなく、最初から相性のいい組み合わせから選ぶというのも一つの方法です。

例えば、先ほどのNX BLACKにはトゥルーテンパーの「プロジェクトX UL」を組み合わせるとか。日本シャフトの「NS PRO 950」でも全くNGというわけではありませんが、X ULの方がしっくりくるはずです。

実をいうと、アイアンシャフトには、スチールもカーボンも先調子のモデルが少ないというのが現状です。だから、ドライバーを先調子にすると、アイアンとの組み合わせが難しくなってきます。その辺りの折り合いをどうつけるか。もし振り合わせの確認ができるようなら、ぜひコースでやってみてください。

■吉田 智
よしだ・さとし/クラブメーカーを経て、現在は渋谷にある「プレミアム ゴルフスタジオ」でフィッターを務める。アマチュアだけでなく多くのプロからも信頼され、これまでに女子ツアー5勝、ステップ・アップ・ツアー1勝、シニアツアー1勝をサポートしている

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