”さびた”アイアンで”輝き”のプレー 生源寺龍憲は老舗メーカーアイアンで「開幕からいいゴルフができた」

<東建ホームメイトカップ 最終日◇31日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7069ヤード・パー71>

昨年のABEMA(日本男子下部)ツアー賞金王・生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)は、第3ラウンドでスコアを7つ伸ばし、首位と2打差で最終ラウンドに入った。勢いそのままにバーディを6つを奪う好プレーを披露したが、首位の金谷拓実をとらえることはできなかった。それでも「開幕からいいゴルフできた」と優勝争いを演じ、充足感に満ちた表情だった。
最終日、まずは順延となっていた第3ラウンドの残りを消化。12番から再開しそこから4つのバーディを奪った。すぐさま最終ラウンドに入ると、ボギーフリーの6バーディ。きょうだけで10個のバーディを奪うナイスプレーを見せた。首位の金谷には2打届かなかったものの、対抗馬として試合を面白くしてくれた。

そんな、生源寺のバッグを見てみると、輝きのプレーに反してアイアンは“サビ”だらけ。ツアーではウェッジをノーメッキにすることはよくあるが、アイアンまでノーメッキにしている選手は珍しい。さらに見慣れないメーカーのクラブということもあり、詳しく話を聞いてみた。

アイアンは国内アイアン製造発祥の地、兵庫県市川町でゴルフクラブを製造する藤本技工のもの。知る人ぞ知る老舗メーカーだ。「2年くらい前に、たまたま藤本さんのクラブを打って、それが良くて」と思わぬ出会いがきっかけで、今ではクラブの提供を受け、5番アイアンからウェッジまで藤本技工のクラブを使用している。

5~7番アイアンまではフェースだけノーメッキ。8番以下はヘッドがすべてノーメッキとまさに”渋い”仕様。ノーメッキにしている意図を聞くと「ラフで打った時に食いついてくれる感じがあるので、スピンコントロールがしやすい」。メッキをしていない分、打感の柔らかさを感じやすくなることでよりボールの”食いつき感”がアップ。それによりスピンコントロールもしやすく、フライヤーもしにくくなったという訳だ。また、ウッド類はすべてキャロウェイを使用。つかまりの良いヘッドをチョイスしている。

こだわりのつまった14本で開幕戦から好成績を残した25歳は、海外ツアーでの活躍を目指している。来月はアジアンツアーの「サウジオープン」に出場予定。「ゴルフ三昧の日々。出れる試合は全部出たい」と成功への貪欲さも伺える。国内男子ツアーでの2戦目は「中日クラウンズ」を予定している。さびたアイアンとともに戦う生源寺の姿にこれからも注目だ。(文・齊藤啓介)

【生源寺龍憲のクラブセッティング】
1W:パラダイム Aiスモーク MAX D (ベンタスブラック 6X)
3W:パラダイム フェアウェイウッド(ベンタスブラック 7X)
19°:キャロウェイ APEX UW 2022年モデル(ベンタスブルーTR 8X)
4U:スリクソンZX Mk II (N.S.PRO MODUS3 HYBRID プロト X)
5~7I:藤本技工 101CB(N.S.プロモーダス125 S)
8~PW:藤本技工 101MB(N.S.プロモーダス125 S)
50、56、60°:藤本技工 101TWプロト(N.S.プロモーダスウェッジ125 X)
PT:オデッセイ ホワイトホットOG 7CH

externallink関連リンク

東建ホームメイトカップ 最終結果 生源寺龍憲 かつてはアイアン全部さびてました【写真】 “1W一本槍”が3本に!? 直ドラ名手・池村寛世が大胆クラブチェンジ アプローチの悩み解消! 石川遼はウェッジ5本から3本体制へ大胆チェンジ ”飛ばし屋”ならでは 幡地隆寛のハードすぎるセッティング
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)