
<東建ホームメイトカップ 3日目◇30日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7069ヤード・パー71>
3日目は順延となっていた第2ラウンドが行われ、石川遼、弟の航はともにカットライン上のトータル2アンダー・61位タイで予選を通過。すると続けて行われた第3ラウンドでは初となる兄弟同組でのグルーピングが実現した。さらに航のキャディは姉・葉子さんが務めており、同じ組に3きょうだいがそろった形だ。兄は「不思議な感じ」、弟は「変な感じ」と初めての兄弟ラウンドに二人とも少し照れた表情を浮かべる。
遼は「(航は)推薦をいただいて出場させてもらっているなかで、期待にこたえる意味ですごく良かった。うまくなっていると思う」と評価。また「航の成長に対して僕の方の理解が追いついていないかな」と32歳になった兄は8歳下の弟の成長に目を細めた。
航は兄とのラウンドで、最初の数ホールは落ち着かないなかでのプレーだったと振り返る。それでも「普段通りのきょうだい話をしていた」とホールを重ねるごとにリラックスし、「3ホール目くらいから落ち着いた」。あとはいつも通りのラウンドができた。
通算18勝を誇る兄のプレーを前に「長いパーパットを連続で入れて、ギャラリーの歓声もすごくて、やっぱり見せてくるなと思いました」とその”凄さ”を改めて肌で感じた。そして「優勝争いでこれができたらいいなって思いました」。次に同組になる時は上位で―。そんな青写真を描いた。
第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われる31日は組み替えなく進み、2日連続のきょうだいプレーも実現。「お兄ちゃんを安心させられるようなプレーができるように」。兄譲りのハニカミを見せながら会場を後にした。(文・齊藤啓介)