
<HSBC女子世界選手権 初日◇29日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
3番でバーディを先行させて迎えた、打ち下ろしの4番パー3。古江彩佳がオナーで打ったティショットは「ギリギリのクラブを選んでいた。ハンド(ファースト)気味に入って、左からの風でドローしきらずにそのまま…」とグリーン右手前にあるクリークの岩に当たり、さらに右へ大きく跳ねた。
木の枝がかかるなか、「グリーンに乗らなかったけれどうまく寄せれたほう」とアプローチはグリーンを横切り、左サイドのフェアウェイへ。そこでパターを選択し“寄せワン”を狙ったが、寄らず入らずのダブルボギーを叩いた。
「タップワンで抑えられるところにはしておきたかった」と一歩後退。そこからはコースを舞っている風に翻弄(ほんろう)され、なかなかチャンスを作り出すことができず、流れも悪くなっていった。
風が回り、それに伴って「頭をぐるぐる使うゴルフ」。ピンポジションも左右前後に振られていて「初日にしては難しかった」と言うほど。そんなタフなコンディションのなか、古江の“風対策”は意外なものだった。
「風をあまり信じずに、ほぼナシな感覚でいくようにマネジメントを変えました。読むは読むけれど、方向が怪しい。距離だけを意識していました」
いいショットをしても急に風が逆方向になったりするのが「ストレス」のもと。そこはうまく割り切りながら、持ち味のショット力を生かした。15番、16番はともに5メートルにつけて連続バーディを奪取。周りもなかなかスコアが伸びないなか、1アンダーの10位タイで滑り出した。
「難しい初日のなかではいいスタートができたと思う」と合格点。あすは雨予報もあるなか、「それに対応できるように集中していきたい」と目の前の一打にフォーカスしていく。そして、風はどうなるか…。「一発目は信じると思うけれど、やっていくなかでどう動いているか次第かな」。
信じるか、信じないか。あすも風の吹くままに、臨機応変に対応していく。