
<ホンダLPGAタイランド 初日◇22日◇サイアムCCパタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>
タイで今季初戦を迎える原英莉花は、「(世界ランクの)ポイントを稼いでいきたい。どの試合でも上位にいないと下がってしまうので頑張りたい」と位置づける大会で4アンダー・11位タイというスタートを切った。現在の世界ランキングは95位。そこからの浮上を目指し、猛暑のなかでも最後まで集中は切らさない。
この日も、大粒の汗が絶え間なく流れ続けるようなコンディション。さらに開幕戦特有の「探り探りの状態」でスタートしたなかで、ボギーフリーの快ラウンドを続けた。ぶれそうになるティショットを立て直しながら歩みを進めていく。
「どういうボールが出るか確認するため、少しつかまえて打ったら左に出過ぎた。『きょうはつかまえなくていいんだな』と感覚を確かめて、最後まで振り切ることを意識しました」
残り距離が長かったり、番手間の距離の時は安全に進み、気持ちよく振れる場面ではしっかりと振り切る。そんなメリハリが効いたプレーが、結果につながった。524ヤードの7番パー5では、果敢に攻めてツーオンに成功。「ティショットを左に置けたら狙えるホールだった。しっかり狙えてよかったです」。ここでバーディを奪うなど、持ち味も発揮した。
来季からの米国ツアー出場権を得るための予選会に再挑戦することも明言しており、今年も勝負の年となる。期限までに、最終予選会からの出場がかなう世界ランク75位以内を目指し、目の前の試合でポイントを稼ぐことも強く意識する前半戦になる。それだけに、この海外試合での活躍も比重は大きい。
きょう一緒にラウンドしたのは、同学年の畑岡奈紗。時折、話しながら刺激も受ける18ホールでもあった。「こっち(米国ツアー)で8年間プレーしているというのを聞いて、改めてすごいな、と。崩れそうにない、いいプレーをしていたので私も頑張ろうって思えました」。畑岡は3勝、原は2勝と、ともに「日本女子オープン」を複数回制覇している2人が、海外で“競演”する姿に多くの拍手も送られた。
今年初の公式戦初日の自己評価を聞くと「何点かな」と少し迷った後、「パープレーの72(点)で」と答え、明るい笑顔を見せる。残りの28点は「最終ホールでバーディが獲れなかったのが自分では評価できない」という部分だ。首位とは4打差。強い日差しで火照った体をクールダウンし、2日目こそ“満点ラウンド”にしたい。(文・間宮輝憲)