昨季は岩井千怜が“悪夢”を経験 ワースト記録にまつわるエトセトラ【国内女子ツアー丸わかり】

国内女子ツアー開幕まであと1カ月を切った。今年は「ダイキンオーキッドレディス」を皮切りに37試合が開催される。そこで、開幕前に女子ツアーを見る上で参考になるデータを紹介する。今回は、『ワースト記録』について。
■1ホールワーストスコアは「15打」
「あのホールさえなければ…」と1ホールで大叩きを喫し、後悔してもしきれないラウンドを経験した人も多いはずだが、それはアマチュアに限らない。国内女子ツアーで記録が残っている1990年以降では、17年8月の「NEC軽井沢72」初日に山田成美が記録した「15」というのが、1ホールでのワースト。そして、昨年にその記録に迫る“悪夢”を見た選手がいる。

その選手とは、岩井ツインズの妹・千怜だ。9月の「ゴルフ5レディス」2日目。トータル1オーバーで迎えた終盤の16番パー4での出来事だった。左ドッグレッグでフェアウェイからグリーンの左まで大きな池が待ち構えるホールで、『+10』となる『14打』を喫した。

16番はコース左に池が広がるロケーションだが、岩井はそのハザードに5度打ち込み、12オン2パット。「14打」はツアー歴代でワースト2位タイの記録で、この日の合計スコア「82」はプロ入り後、自己ワーストとなった。ラウンド後に岩井は「悔しいし、情けない」と言葉を絞り出した。
■史上ワーストの「141」 上原彩子は前代未聞の68罰打
18ホール(パー72)でのワーストを記録を調べてみると、16年の「伊藤園レディス」初日に上原彩子が「141」と前代未聞の記録を残していた。

激しい雨の影響で地面はぬかるみ、第1ラウンドと第2ラウンドではボールを拾い上げて汚れを拭き取りリプレースする“リフト&クリーン”が認められていた。上原は第1ラウンド、ボールを拭いたあと球を拾う前にあった場所に戻すリプレースではなく、1クラブレングス内にプレース(プリファードライ)していた。

第2ラウンドのスタート前に処置の間違いが発覚。ホールアウト後に、第1ラウンドのスコアに罰打が科された。このローカルルールの違反は2罰打と規定され、2罰打×19回=38罰打、スコアの過少申告(2罰打)×15ホール=30罰打とされ、計68罰打が科せられた。

この事態に上原は「私の確認ミス」ときっぱり自らの非を認めていた。
■前日トップから最終日に大崩れた選手は? 古閑美保がハーフ「45」
次は、前日トップから最終日に大崩れした選手の記録を見てみる。07年の「スタンレーレディス」では初日に古閑美保が「69」をマークし、首位タイ発進を決めた。

しかし、激しい雨のため9ホールに短縮された2日目に「45」を叩き、54位タイへ後退。最終日は台風の影響で優勝者を決めるプレーオフだけ行われた。

19年の「KKT杯バンテリンレディス」では大西葵が2日目に首位に立ったが、最終日に「85」の大叩き。42位タイで初優勝を逃した。
■初日トップから予選落ち
さらに、初日トップでスタートしながらも予選落ちを喫した選手の記録も調べてみた。女子ツアーでは過去7人。直近では、11年「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス」の服部真夕だった。

初日に、4バーディ・ノーボギーの「68」で首位タイ発進を決めるも、2日目に1ダブルボギー・7ボギーの「81」を叩き、トータル5オーバー・63位タイで悔しい予選落ちとなった。

【1ホール歴代ワーストスコア】(1990年以降)
■1位:15打
・山田成美:2017年「NEC軽井沢72ゴルフ」1R
■2位:14打
・能登亜希:2001年「リゾートトラストレディス」1R
・紫垣綾花:2003年「プロミスレディス」2R
・岩井千怜:2023年「ゴルフ5レディス」2R
■4位:13打
・N・ローウィン:1991年「anクイーンズ」2R
・安井純子:1991年「JLPGA明治乳業カップ」1R
・入江由香:1995年「五洋建設レディース」1R
・服部道子:2000年「ミズノクラシック」3R
・斉藤裕子:2001年「太平洋クラブレディースレーベンカップ」2R
・天沼知恵子:2001年「ミズノクラシック」1R

【1ラウンド最多ストローク】(1990年以降、パー72) 
■1位:141
・上原彩子:2016年「伊藤園レディス」1R
■2位:107
・@新田千夏:2013年「日医工女子オープン」1R
■3位:104
・@斉藤深雪:1995年「東鳩レディス」2R
■4位:102
・@高瀬君代:2001年「東洋水産レディス北海道」1R
■5位:97
・@鈴木八重実:1996年「東ハトレディス」2R
・谷福美:1996年「伊藤園レディス」2R
・斉藤裕子:1998年「中京テレビ・ブリヂストンレディス」1R
・@石田敦子:2001年「ヴァーナルオープン」1R
※@はアマチュア

【主な前日トップから最終日大崩れ記録】
・古閑美保:2007年「スタンレーレディス 」1位タイ「69」→54位タイ「45」※荒天により27ホールに短縮
・佐藤靖子:2015年「アース・モンダミンカップ」 1位タイ「71」→48位タイ「79」
・濱田茉優:2020年「スタンレーレディス」1位タイ「71」→45位タイ「77」
・村井真由美:1993年「大王製紙エリエール女子オープン」1位タイ「74」→42位タイ「85」
・大西葵:2019年「KKT杯バンテリンレディス」1位タイ「70」→42位タイ「80」
・脇元華:2023年「ニトリレディス」1位タイ「71」→28位タイ「76」

【初日トップから予選落ち】
・稲葉真寿美:1992年「ダイキンオーキッドレディス」1位タイ「71」→71位タイ「82」
・呉 明月:1996年「サントリーレディス」1位タイ「68」→32位タイ「78」
・山本都也子:1996年「富士通レディース 」1位タイ「68」→53位タイ「80」
・前田真希:2003年「伊藤園レディス」1位タイ「69」→61位タイ「81」
・白戸由香:2009年「ヤマハレディースオープン葛城」1位タイ「70」→85位タイ「85」
・シン・ヒョンジュ:2009年「ヨネックスレディス」1位タイ「67」→53位タイ「78」
・服部真夕:2011年「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス 」1位タイ「68」→63位タイ「81」

externallink関連リンク

国内女子ツアー 2024年の開催日程 岩井姉妹が合宿先のタイへ出国 海外連戦に意気込み「2人で五輪に出たい」 やっぱりメジャーのセッティングは“エグい”? 昨季の難関ホールをおさらい【国内女子ツアー丸わかり】 プラチナ世代の逸材が片りん示す 安田祐香に飛躍の兆し【初シード選手紹介】 “出世街道”を走る韓流ヒロイン 成長株リ・ハナに期待【初シード選手紹介】
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)