「即効性はなかったけど…」 元世界ランク1位のユ・ソヨンが教える“カウンセリングの効果”【カメラマン南しずかの米ツアー小話】

畑岡奈紗、渋野日向子に加え、昨季から勝みなみ、西村優菜が参戦してますます盛り上がっている米国女子ツアー。今季からは稲見萌寧ら3人が新たにメンバー入りする。日本勢の動向にも非常に注目だが、試合以外や海外勢のおもしろ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?

ユ・ソヨン(韓国)はプロ転向した2008年の時から、スポーツ心理学者のカウンセリングを定期的に受けている。11年「全米女子オープン」でツアー初優勝を飾ると、17年に世界ランク1位にのぼりつめ、18年には「日本女子オープン」も制した。世界の頂点を極める過程で、カウンセリングはいったいどれほどの効果があったのだろうか。

「あくまで私の場合ですが、(カウンセリングは)即効性の効果はなかったです」。ソヨンはこのように教えてくれたが、ちょっと肩透かしをくらった気になった。そしてこう続けた。「自分の考え方の癖を知ることで、自分とうまく付き合うようになることができた」。

「たとえば、ミスショットしたとしますね。普段の私なら『次、頑張ろう!』とすぐ気持ちを切り替えられるのに、いつまでもクヨクヨしちゃう時があったりして。『あれ、なんで、あの時はずっとネガティブだったんだろう?』と振り返る場所がカウンセリングです」

スポーツ心理学者は、その会話の中から、自分自身が気づいていなかった感情などを引き出してくれるきっかけになる役割だ。もちろん、家族や友達だって親身になって聞いてくれるだろう。それは寄り添ってくれることで癒されるかもしれないが、周りがイエスマンばかりだと大事なことに気づけない可能性もある。

その点、スポーツ心理学者は、中立的な立場で見解を示してくれる。「私は完璧主義者なんですよ。そんな自分の弱さや強さを受け入れて、『前向きに頑張ろう!』と確認できる場があるのは助かっています」。それが精神的に安定し、力を発揮できることにつながっている。

22年からはスポーツ心理学者のジュリ・アマトさんが、米国女子ツアーの年間10試合ほどに帯同するようになった。要望があった選手のカウンセリングを行なっているという。ゴルフは個人競技のため、とことん孤独になりえる。不安を感じた時に、前向きに進める選択肢が増えることは良いことだろう。(取材・文/南しずか)

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