ハワイでの2連戦を終えた米国男子(PGA)ツアーは、19日から米国本土初戦「ザ・アメリカンエクスプレス」がカリフォルニア州の「PGAウエスト ピート・ダイ スタジアムC」など3つのコースで開催される。その開幕を前にPGAツアー公式インスタグラムは、難コースとして知られる同コースで待ち構える深いバンカーで苦労するプレーヤーたちの動画を公開した。
「16番ホールにある18フィートのバンカーは、まさにモンスターです」と記した投稿。動画にいきなり登場するのは、急な斜面をまるで滑り台のように勢いよくバンカーまで滑り降りる選手の姿。そして画面には「このバンカーは非常識です」の文字。高い位置から撮影した画面では、選手の前に高い壁がそそり立っているが、バンカーとグリーンとの高低差が18フィート(約5.5メートル)もあると表示された。
このコースは、「世界で1番難しいコースを作ってほしい」との要望に応えて、世界的に有名な設計家のピート・ダイが造ったもの。しかし、あまりの難しさから選手たちの署名活動によって、1988年から2015年まで大会での使用が禁止されていたという歴史を持っている。この絶壁バンカーにも「難しすぎる」コースの一端がよく表れている。
バンカーに入れてしまったプロゴルファーは脱出と同時にピンに寄せることも考えているため、高い球を打つもののギリギリでグリーン面に届かず、再びバンカーまで転がり落ちてしまうというシーンが繰り返し登場。ツアー2勝を挙げているJ.T.ポストンは「直感では60度のウェッジを使おうと思いました。しかし距離も出さなくてはいけないので55度にしました」と説明した後、脱出を試みたが、やはり惜しいところでグリーンには届かず、ボールは再びバンカーまで逆戻り。すると「でも、出なかったけどね」と半ばあきらめの声。
また脱出を第一に考えすぎてしまったのか、大きくホームランを打ってしまったアマチュア選手はがっくりと首を落とすと「私の人生で最も難しいショットだった」との感想。また、あまりの難しさに最後は手で放り上げてしまう姿がギャラリーの笑いを誘うシーンもあった(しかも、それでも脱出できず)。
コメント欄にも、この難しいバンカーに驚嘆する声が数多く寄せられた。中にはこのコースをラウンドした人もあり「動画よりも深いです ゴルフを諦めるかもしれません」「もし私がこのバンカーにつかまったら、おそらく今日もまだそこにいるだろう」など、このバンカーの難しさを振り返っていた。
はたして今年のトーナメントでは、このバンカーでどのようなドラマが生まれるのだろうか。公開された動画では失敗ばかりが集められていたが、トーナメントでは会心のバンカーショットを見せてくれることを期待したい。ただし、このバンカーに入れないことが最も大切なポイントなのは間違いない。