パターとアプローチの「距離感」をどう養うか? メンタルの専門家が出した結論は残酷で……

ツアープロは、驚くぐらい熱心にパッティングを含むショートゲームの練習をやっていますが、これには大きな理由があります。それは、毎日やっていないとショートゲームで必要なタッチの感覚が身に付かないからです。
「プロなのに?」と思うかもしれませんが、次のような説があります。それは、完成されたフルショットは、小脳の中で長期的に記憶されるというもの。例えばその都度動きを大きく変える必要がないドライバーショットは、いつでもその記憶を引き出せます。

しかしショートゲームの場合、ピンまでの距離や芝の状況などひとつとして同じケースはないので、全てを保存しきれません。また、試合ごとのグリーンにおけるタッチを身に付けなければならないため、ツアープロは毎日多くの時間を使ってタッチを合わせようとしているのです。

クラブを自在にコントロールできるプロでさえこれだけ練習をするのですから、アマチュアの皆さんもせめてラウンド前はたっぷり練習をするようにしましょう。

その際、ぜひやってほしいのは、タッチとクラブのコントロールを同時に養うことができる2つのドリルです。ひとつは、ボールを打った瞬間に、どの辺りにボールが止まるかを予測するトレーニングです。オーバーか、ショートか、ワングリップ圏内か。「打って予想する」を繰り返しているうちにタッチが身に付くようになります。

また、手でコロがしてピンを狙うのと、通常通りクラブで狙うのとで、どちらがピンに近づくかを勝負させる練習も効果的。アマチュアの場合、最初は手が圧倒的な勝利を収めるでしょう。しかし両方を交互にやって互角になることを目標に練習をすれば、クラブでのタッチも次第に合うようになるはずです。

解説:児玉光雄
こだま・みつお●追手門学院大学特別顧問。過去25年にわたりツアープロのメンタルカウンセラーを務める。現在、6名のツアープロのメンタル面をバックアップしている。日本スポーツ心理学会会員

※『アルバトロス・ビュー』850号より抜粋

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