
<Qシリーズ(米国女子ツアー最終予選会) 初日◇30日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
最終18番パー5。吉田優利が放った残り102ヤードの第3打は、ピン手前50センチにピタリとついた。「完璧なショットでした」。これで4アンダーに伸ばし、「すごくいいプレーでした」という手ごたえ十分のラウンドを終えた。
フォールズCを回った初日は、2番パー4で左奥2メートルからのパットを沈め、バーディが先行した。さらに5番、7番でも伸ばし前半は3アンダー。ただ後半に入ると、「惜しいパットが続いてスコアが伸ばせなかった」と、パーが続く歯がゆい展開に。そんななかで生まれた最終ホールのスーパーショットは、しっかりと2日目以降につながっていきそうだ。
朝から気温が低かったこの日は、コースコンディションの不良もあり、当初の予定よりもスタートが45分間遅れた。ただ、それも“どこ吹く風”。「思ったよりも暖かくてよかった。 トミーは暖かいです(笑)」。着用したピンク色のセーターを指さしながらニッコリとする。ウェア契約を結ぶトミー ヒルフィガーゴルフも喜ぶひと言で、“問題なし”を強調した。
もともと軟らかいフェアウェイだったが、霜が降りたことでさらに軟化。ランがほとんど出ず、2打目以降はどうしても長いクラブを多用せざるを得ない。「5番アイアンを何回も使わされたので、自分のスイングが崩れないよう気をつけないといけないと思っていた。後半にミスがあったけど、そこで崩れず最後まで回り切ることができました」。耐えた時間のご褒美が、最後の会心バーディだった。
優勝ではなく通過を目指すQTは、周りのスコアを確認することもほぼできず、やはり普段の試合とは雰囲気も異なる。そこで考えるのは、状況に惑わされることなく「自分のゴルフ」を貫くことだという。
「ボギーを打たないゴルフが基本。いつものようにアグレッシブなゴルフをしないことがひとつ(意識に)ありますね」。ピンが振られていれば逆サイドの広い面から、を心がける。こうして実際にボギーフリーで回ることもできた。「108ホールで考えると、まだ18ホールしか終わってないけど落ち着いてプレーできました。今日、明日もラウンドして、みんながどれくらいスコアを出すか。様子見ですね」。こうして平静を保っている。
大会2日目となる金曜日は、朝から雷雨の予報も出されており、どれくらいプレーが可能になるか、現時点でなかなか読めない。「天気は悪そうですけど、いいプレーができるように頑張りたい」。日本勢で最高位の4位タイで迎える第2ラウンドも、冷静に歩みを進めていく。(文・間宮輝憲)