
<CMEグループ・ツアー選手権 初日◇16日◇ティブロンGC(フロリダ州)◇6556ヤード・パー72>
2戦連続の好発進を決めた畑岡奈紗に充実感が漂っている。2週前の「TOTOジャパンクラシック」では2位発進から首位へ浮上するが、最終日に失速。そんな苦い経験を振り払うべく初日からエンジン全開。未勝利で臨んでいる今季最終戦は、ボギーなしの9バーディで堂々の首位タイ発進だ。
2戦連続の好発進を決めた畑岡奈紗に充実感が漂っている。2週前の「TOTOジャパンクラシック」では、2位発進から首位へ浮上するが、最終日に失速。そんな苦い経験を振り払うべく初日からエンジン全開。未勝利で臨んでいる今季最終戦は、ボギーなしの9バーディで堂々の首位タイ発進だ。
「きょうはいいショットがたくさん絡んでくれて、タップインのところも3回あったのでよかった」。先週を終えた時点で今季のバーディ数は1位。この日も4番で50センチ、11番では80センチにつけるバーディ。17番のパー5では、ねらいすました3打目をピン左横80センチにつけるなど、バーディ女王らしく量産した。
前半はピンチもありながらすべて1パット。10、11番のバーディもあり、そこまでで11パットとショット、パットともにかみ合った内容。前日は大雨の影響でほぼ1日ゆっくり過ごすなど、「リラックスしてできた」と終始笑顔のプレーで、リーダーボードを駆け上がっていった。
毎年最低1勝を掲げる畑岡にとって、2023年シーズンは今週がラストチャンス。今季は「全米女子オープン」やTOTOで最終日を首位で出ながら崩れて優勝を逃していた。キャディのグレッグ・ジョンストン氏ともこの敗因については打ち合わせを重ね、ついに最後の舞台にやってきた。そこにきての「63」には満足。「ちょうどいい緊張感」と過度なプレッシャーをかけずに好スタートを呼び込んだ。
2月の「ホンダLPGAタイランド」以来の首位スタート。気持ちを落ち着かせながら、入れ込みすぎずに迎えた初日。「パットがいいからミドルアイアンなら1ピンくらいにつけばいいかな」とショットもいい意味でアバウトに打てるため、すべてが好循環を生み出している。このままの状態を最終日まで持続し、年間女王へとひた走る。(文・高桑均)