
スペイン紙『マルカ』が、3分の1を消化したラ・リーガの現時点でのベストイレブンを発表。錚々たる選手とともに、レアル・ソシエダに所属する日本代表MF久保建英も名を連ねた。
8月に開幕した今シーズンのラ・リーガは、早くも日程の3分の1を消化した。現時点でトップに立つのは、レアル・マドリードでもバルセロナでも、アトレティコ・マドリードでもない。ラ・リーガひいては、欧州最大のサプライズとなっているミチェル率いるジローナだ。ここまで記録した31得点はリーグ最多、13試合のうち5試合が逆転勝利と、スペクタクルなフットボールを展開。“3強”を上回る11勝1分1敗の好成績で、白昼夢を見続けている。
また選手に関しても、トピックは豊富だ。まずは、ここまで12試合に出場し5得点2アシストを記録しているMF久保建英。日本人選手初のラ・リーガ月間MVP賞を受賞するなど、レアル・ソシエダにおける重要度は増すばかり。久保と同様に、今シーズンのラ・リーガ月間MVP賞に輝いたレアル・マドリードのMFジュード・ベリンガムも異彩を放っている。すでに10得点を挙げており、なかでも“エル・クラシコ”での一撃は新時代到来を予感させるものに。アトレティコ・マドリードのFWアントワーヌ・グリーズマンとFWアルバロ・モラタも絶好調を維持。その他、バルセロナのFWラミン・ヤマル、グラナダのMFブライアン・サラゴサ、バレンシアのMFハビ・ゲラといった若手選手が頭角を現している。
そのなかで、スペイン紙『マルカ』は現時点でのベストイレブンを発表。上記で述べた久保やベリンガム、グリーズマンらが順当に選出。また、アスレティック・ビルバオのDFダニ・ヴィヴィアン、ベティスのMFイスコ、ジローナのMFアレイクス・ガルシアも名を連ねている。
[写真]=Getty Images
■GK・DF
GKはラス・パルマスのアルバロ・バジェスが選出された。生粋の“ラ・マシアっ子”であるガルシア・ピエミンタ監督が指揮するグラン・カナリアのクラブは、テクニシャンを多く輩出してきた風土に沿ったパスサッカーで昇格組ながら8位と健闘。特筆すべきは、ここまでの失点数が「12」とリーグ2番目の少なさということ。レアル・マドリード戦では好守を連発するなど、ボール保持スタイルを志向するチームの門番として立ち塞がっているのだ。
DFは右からダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)、DFロナルド・アラウホ(バルセロナ)、DFダニ・ヴィヴィアン(アスレティック・ビルバオ)、ミゲル・グティエレス(ジローナ)の4名。カルバハルとアラウホは言わずもがな、モダンな左SBとして存在感を発揮するグティエレスも名を連ねた。また、昨シーズンにブレイクしたヴィヴィアンは、今夏の主力選手の退団と負傷離脱に伴い、新たなDFリーダーになりつつある。レンタルで加入したミランデス時代には主将も務めるなど求心力も備えており、1歳下の“相棒”アイトール・パレデスとアスレティック・ビルバオを後方から支えている。
■MF
MFはアレイクス・ガルシア(ジローナ)、イスコ(ベティス)、ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)の3名。ジローナ躍進の中心を担い、スペイン代表にも初選出されたA・ガルシアと、前述した活躍を見せるベリンガム。そして、“マヒア”が復活した。セビージャ退団後は半年間の無所属を経て、今夏に“禁断の移籍”でベティスに加入したイスコ。開幕節ビジャレアル戦でマン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)に輝くなど、一級品の足元の技術と創造性豊かなプレーは輝きを取り戻した。ここまで2得点2アシストを記録し、7試合でMOTMに選出されている。
■FW
FWは久保建英(レアル・ソシエダ)、アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリード)、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)の3名。ラ・リーガでのホーム15連勝を達成し、1試合未消化ながら4位につける好調のアトレティコ・マドリードを牽引するグリーズマンとモラタ。前者はクラブ歴代得点ランキング2位に浮上、後者はキャリアハイペースで得点を量産とベストイレブン選出に相応しい活躍を見せている。また、ラ・リーガにおける日本人選手の歴史を作り続けている久保も、“ロヒ・ブランコス”の2大エースとともにノミネート。かつては、日本人選手不毛の地とも言われたラ・リーガで躍動する久保に今後も期待だ。