
ローマは、現在レンタル移籍で加入しているベルギー代表FWロメル・ルカクの完全移籍での獲得のために、チェルシーにイングランド代表FWタミー・アブラハムを譲渡することを検討しているようだ。29日、イギリス紙『ミラー』が伝えている。
現在30歳のルカクは、2021年8月に当時のチェルシー史上最高額となる移籍金1億1500万ユーロ(約182億円)でインテルからチェルシーに完全移籍。しかし、パフォーマンスやクラブへの忠誠心に対する批判が集まり、絶対的な主力として起用されなかったことから、翌年夏に移籍を希望し、インテルへとレンタル移籍を果たした。
期限付き移籍期間の満了に伴い、今夏チェルシーに復帰したものの、再び退団を希望し、クラブも“高給取り”の放出を望んでいたことから、売却に動いていた。しかし、両者が望むような取引は成立せず、最終的には移籍市場閉幕間際にローマに再びレンタル移籍することが決定した。
この契約に買い取り義務やオプションなどは付随しておらず、2023-24シーズン終了後にルカクは再びチェルシーへ戻る予定となっているものの、このレンタル移籍が決まる前には、同選手の給与が大きな焦点となっていた。
ローマ側はルカクのチェルシーでの給料を全額支払うことはできない上に、チェルシーとしても給与を全く負担するつもりがなかったことから、チェルシーは契約が満了となる2026年6月30日まで残り3年間の給与すべての減俸に応じることを要求。同選手がこれに応じたことでローマへのレンタル移籍が決定したと報じられていた。
そして、この減俸に応じた際に、チェルシーは来夏の移籍市場で3700万ポンド(約67億円)のオファーを受け取った場合に売却に応じることでルカクと合意に至ったことも伝えられており、同選手の去就には引き続き注目が集まっている。
そんななか、ここまで公式戦11試合出場で8ゴールを記録する活躍を見せていることから、ローマがルカクの完全移籍での獲得を画策しているという。それでも、イタリアメディア『カルチョメルカート』によると、ローマは3700万ポンドの支払いを避けるために、かつてチェルシーでプレーしていたアブラハムを譲渡することで、移籍金の支払いなしでルカクを獲得することを望んでいるようだ。
現在26歳のアブラハムはチェルシーの下部組織出身で2021年8月にローマに加入。公式戦通算107試合出場で36ゴール12アシストを記録しているが、昨シーズンの最終節に前十字じん帯を損傷し、再建手術を受けたことで長期離脱を余儀なくされている。
このため、ローマはアブラハムを引き渡すことで高額な移籍金を支払わずにルカクを獲得することを目指しているようだが、現時点ではチェルシーがこれに応じるかは明らかになってはいない。得点力不足が課題になっていることから、来夏にはストライカーの獲得に動くことが濃厚視されているチェルシーだが、果たしてアブラハムが復帰することになるのだろうか。