
<アジアパシフィックアマチュア選手権 最終日◇29日◇ロイヤル・メルボルンGC(オーストラリア)◇7055ヤード・パー71>
今年の「日本アマ」を制した早大2年の中野麟太朗(りんたろう)。「本気で勝ちに」来た試合だったが、初日の10番で12打を叩いたこともあり「81」とスタートダッシュには失敗した。2日目「73」、3日目「74」と、難コースと強風を前になかなかアンダーが出ないなかで最終日に挑んだ。
3日目終了時に「明日はアンダーで回ります。30位以内には入りたいですね」と話していたが、最終日は4バーディ・3ボギーの「70」のラウンド。順位も42位タイから28位タイへと浮上し、“有言実行”で気持ちよくオーストラリア最後の18ホールを終えた。
「もっといけただろうと思う部分もありますが、(この日の)1アンダーというスコアが僕の今持っているすべてを出した結果です。タフなコースでもアンダーを出せるという点は自信になりました」と清々しい表情を見せた。
ただ、「キャディさんにも『もっといろんなショットを』と言われたんですけど、僕は距離を変える2種類のショットしかなくて、それだけじゃ足りないと初めて思いました」と課題も浮き彫りに。コースに合わせて「抑える、カット、ドロー」など、ショットのバリエーションを増やすことが「将来こういった場所、世界で戦うにあたって必要」なのだと発見できた。
来年のアジアアマは、太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)で行われる。「自分が大学生のときに日本で開催されるのはラッキーだと思います。日本で勝てたら、とっても名誉なこと。来年も出て、最高の結果を迎えたい」と、リベンジに燃える。「(太平洋クラブ御殿場コースを)今まで4回くらい回ったことがありますが、すべてアンダーでした。相性がいいので、とても好きなコース。楽しみです」と、優勝への期待が膨らむ発言も飛び出した。
そんな中野の次戦は、11月3日に行われる「石川遼インビテーショナル ジャパンジュニア&カレッジマスターズ」の7会場目。なんと太平洋クラブ御殿場コースで行われるという。「アジアアマがまだ続いてるみたいですね。来年のことを考えて、練ランしてきます」。記者たちの笑いを誘いつつ、中野がまた夢の階段を上り始める。(文・杉本夏希)