幡地隆寛はアイアンに“マイナス3度の課題”も“マッスルバック”で復調 河本力との飛ばし直接対決は…

<日本オープン 2日目◇13日◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪府)◇7315ヤード・パー70>
 
ツアー屈指の飛ばし屋で2020-21年シーズンのドライビングディスタンス1位に輝いた幡地隆寛が、4連続を含む6バーディ・3ボギーの「67」をマーク。トータル3アンダー・3位タイに浮上してきた。
今年4月の「関西オープン」で単独2位となるなど、すでに3季連続の賞金シードを確実なものにしている。我慢比べとなっている今大会では、300ヤード先のフェアウェイが狭まってフェアウェイキープが難しいため、「3番ユーティリティで250~270ヤード打っていく」作戦で、「いい感じで回れていると思います」と話す。

2日目はパー3を除く14ホール中、ドライバーを使ったのは7、11、13、18番の4ホールだけで、4番と8番が3番ウッド、それ以外の8ホールでユーティリティを握った。その結果、フェアウェイキープは14ホール中11度の78.6%で、全体7位と高い数値を記録している。

「僕はスーパーパットがあるような選手ではないので、ショットをどれだけつけられるかの勝負になってくる。ギリギリを常に攻めていかないといけない」と、ショット力が生命線。「きょうはやばかったですね」と、グリーンの端に切られた厳しいメジャーのピン位置を果敢に攻めて、6バーディにつなげた。

そのアイアンはタイトリストのキャビティバック『T100』をシーズン開幕から使ってきたが、「暖かくなってきてコントロールが利かなくなったのかわからないですけど」と、夏場に調子を落としたのを機に、2週前から以前使っていたマッスルバックの『620 MB』に戻した。「その辺からアイアンの感じもいい感じに戻ってきた」。
 
同時に日本オープンの厳しいセッティングに弊害も出ている。
 
「ダウンブロー(の入射角)がきついと、ボールをとらえる際に、芝の状態や種類などの微妙な違いによって、スピンの入り方や飛距離のコントロールがうまくいかないことがある」。昨年、米下部ツアーのQTに挑戦して落ちたときに「アイアンのインパクトが一定しない」課題を持ち帰った。以来、入射角を緩やかにするスイングに取り組んできた。しかし、マッスルバックに戻したことに加え、「このコースはあまり球を上げたくない感覚になってくるため、また入りが厚くなってきちゃった」と、入射角がきつくなっている。

「これが終わってから、アイアンの入射角の練習をしないといけない」という幡地が目指すのは「6番アイアンから9番アイアンくらいまではマイナス3度からマイナス4度」のダウンブロー。それが今週、「コースではマイナス6度は出ていると思う」と話す。このたった3度の差が、コースによっては打点のズレにつながるのだ。

また、予選ラウンドでは、22年シーズンに幡地からドライビングディスタンス1位のタイトルを奪い取った河本力と同組で回った。今年4月の関西オープンでは「河本くんと回ると15ヤード置いていかれる」と負けを認めつつ、「1年で5ヤード縮めて3年で並びたい」と話していた。今大会ではどうだったのか?

「僕がそんなにいい当たりではないところで20ヤードくらい置いていかれたので、やっぱりいい当たりをしても15ヤードは置いていかれるのかなという感覚ですね」とその差は詰まっていない。

幡地も他の選手を寄せつけない飛ばし屋だが、河本はさらに規格外なだけ。そんな怪物同士のラウンドでは余計な力が入りそうだが、「いつもは(同組の選手より)30、40ヤード前に行って、セカンドショットが打ち終わるのを5、6分待たないといけないけど、今回はリキが同じくらいのところにいたので、セカンドを打つリズム的にはすごくいい感じ」だったという。

メジャーでのツアー初優勝が狙える位置で迎える決勝ラウンド。「ずっと平常心で18ホールやるのが自分のテーマ。喜んだり、がっかりしたり、気持ちの浮き沈みがあると、最後の上がり何ホールかにだいぶ影響してくる。最後にカップインするまで、ずっと同じ気持ちであと2日間回り切れればなと思います」。フラットな気持ちで日本一へと突き進む。(文・下村耕平)

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