
<ウォルマートNWアーカンソー選手権 初日◇29日◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438ヤード・パー71>
今季これで19試合目。ルーキーイヤーを戦っている西村優菜が、やっと満足感が残るスタートダッシュを切ることができた。初日は6バーディ・1ボギーの「66」。3日間大会の大事な初日に、上々の11位タイで滑り出した。
「久しぶりに初日からいいプレーができたので、ホッとしている自分がいます」。初日に出遅れ、2日目に巻き返して予選を通過する…という場面も少なくなかった今シーズン。この一日を素直に喜んだ。
欧州、米国、日本をまたいだ8連戦をこなし、1週間のオフを挟んで戻ってきた。ホステス大会となった日本ツアーは最終日に「66」を叩き出して3位でフィニッシュ。そのときの“収穫”が実を結んだ。
「インパクトでぼやけてしまうというか、そこを合わせる作業をやりました。いい1週間だったと思います」。疲れによってショットに狂いが生じたからこそ気づけた視点。パーオン率は18ホール中17ホールと高数値を叩き出し、「今年アメリカで戦っているなかでは、一番いい状態にあるんじゃないかなと思う」と、持ち味のショット力が戻ってきた。
出だしから手前2メートルにつけてバーディ発進とすると、5番でもバーディ。6番パー3でボギーとしたが、7番パー5で取り戻して流れを切らさなかった。「もったいないボギーではあったんですけど、そのバウンスバックがスコアにもつながったと思うので、そういうところは大事にしていきたい」。後半も「一番難しいホール」と感じている、この日実測190ヤードと長い11番パー3をパーで切り抜けると、そこからさらに3つ伸ばすことに成功した。
夕方になるにつれて日差しも強くなり、それにつれて気温も上がったが、終盤までチャンスメイクをし続けた。「暑くて結構飛んでいたところがあったけれど、キャディさんと相談しながら縦距離を合わせることができたと思う」と、142ヤードの打ち下ろしでアイランドグリーンの15番パー3では暑さ、芝質、ティアップを考慮して一番手ダウン。「それがすごい良かった」と、2メートルにつけるショットも魅せた。
伸ばしあいで、上位は混戦模様。西村はトップと2打差の位置につけている。「3日間なので、トップと差がない状態で2日目を迎えられるというのはすごくいいこと。食らいついていきたいです」。今季いまだないトップ10フィニッシュ、そして首位争いへ。“楽しみな最終日”を迎えるためにも、まずはあすのプレーに集中する。(文・笠井あかり)