メジャー以上の難しさ⁉ 選手が警戒する深いラフにはティフトン芝が混在「すっぽり埋まります」

<SkyレディースABC杯 3日目◇28日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6660ヤード・パー72>

ステップ・アップ・ツアー唯一の4日間大会は3日目に突入。激しい上位争いが展開されているが、開幕前から選手が警戒していた深く絡むラフに苦しめられているシーンも多く見受けられる。

今大会のセッティングでラフの長さは80ミリの設定。これは今週開催されているメジャー大会「日本女子オープン」の80〜100ミリ以上という設定に迫る数値だ。しかし、選手を苦しめているのは芝の長さだけではない。場所によって野芝、コーライ芝、さらに野芝の中に、ティフトン芝が混合しているケースがあるのだ。

通常のコースでは、ラフに葉が幅広い野芝が採用されることが多いが、粘り気が少ないため極端に振り抜きが悪くなることはない。しかしティフトン芝のラフにボールが入ると、“すっぽり埋まる”とか“鳥の巣”などと表現されることがあるように、芝の上に浮いた状態になることはほぼなく、完全にボールが埋まってしまう。

インパクトで強烈に絡むティフトン芝が抵抗となり、ロフトの立ったクラブではクリーンな脱出は難しくキャリーも出ない。逆にコーライや野芝のラフでは、フライヤー(スピンがかからずボールが飛びすぎる現象)でグリーンオーバーというミスも。だから今大会では多くの選手がラフを警戒し、ティショットをフェアウェイに置くことを重要視しているのだ。

この大会のコースセッティングを担当した岡本綾子は「このコースは元々ラフの芝がフェアウェイのコーライ、野芝、ティフトンなど3種類の芝が混じった状況になっています」。特にすっぽりと沈んでしまうティフトン芝のラフを多くの選手が警戒していることについては「選手はみんなそうだと思います。場所によっては、たまたまティフトンが多いところもありますから」と状況を説明した。

以下はラフを警戒する選手のコメント。

三浦桃香 「ラフがすごい深くて。ラフってちょっと力が入っちゃう(抵抗があるため)ので、その感覚で打つとフェアウェイから打ってもリズムが変わっちゃう」

橋添穂 「このコースは少し曲げる(ラフに入れる)だけで大事故になってしまいます」。今大会ではドライバーが好調。初日ラフに入れたのは3回のみ。ラフに入れないことがノーボギーでプレーできた要因とした。

都玲華 初日に13番で唯一のボギー「ナイスショットだったんですけど、ちょっとアンラッキーな感じで転がってラフに1ヤードぐらい入っちゃって、一部だけティフトンみたいな芝でそこにすっぽりボールが埋まってしまいました」。

藤田光里 「ラフに入ると、狙うどころかグリーンにも届かないというのが練習ラウンドのときにあったので、距離が残ってもいいからフェアウェイに置くように心がけました」。

宮田成華 「ここのラフはいろんな芝が混じっていて難しい」。

服部真夕 「ラフに入れるぐらいならバンカーの方がいいです」。

以上のように、ティショットを曲げると深く抵抗の大きいラフが待ち構え、そこから無理に狙うと大叩きの危険もある。初日のトップのスコアは4アンダー。2日目を終わって5アンダーと上位のスコアも伸びていない。また、飛ぶ選手はセカンドをロフトの多い短い番手で打てるので影響が少なくなるが、飛距離の出ない選手にとっては、より長いクラブで打つかレイアップの必要に迫られるため苦しい展開が予想される。

2日目のベストスコアは宮田成華の5アンダー・「67」と、ひとり抜け出たスコア。3日日以降もいきなり大きく伸ばす状況は考えにくい。フェアウェイキープを続け、チャンスが来たら逃さず獲る。決勝ラウンドも、単なる伸ばし合いとは違うスリリングな試合展開となりそうだ。(文・土屋裕一)

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