
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー◇第11戦 みちのくコカ・コーラ レディース◇27日 最終日◇メイプルカントリークラブ(岩手県)◇6340ヤード・パー72>
2アンダー・2位タイで後半をスタートした佐渡山理莉は、終わってみれば2位に2打差の4アンダー(6バーディ・2ボギー)でフィニッシュ。華麗なる逆転で、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー今季2勝目を挙げた。
「すごくうれしいです。うれしいんですけど、優勝できると思って挑んでいなかったので…」と、不思議そうな表情で話した佐渡山。「きのう初めて回ったんですけど、うわ、苦手だなって。ここ、難しいなって思っていたんです。その中で60台で回れたことのほうが、すごくうれしいです」、と無欲の勝利の理由を挙げた。
確かに崩れそうなシーンもあった。前半9ホールはノーボギーで回り、後半の出だしでさらにスコアを1つ伸ばした。だが、11番でボギーをたたき、そこから「バタつきました。スイングのリズムが崩れたり、体の起き上がりが出てしまったりして、そのせいでボギーを打ってしまいました」と、バックナインではもう一つボギーを喫した。
それでも耐えて2アンダー・1位タイで迎えた17番パー4。同スコアに4人の選手がいる中でバーディを奪い、単独首位へ抜け出した。「セカンドがミスショットだったんです」と、160ヤード(6番アイアン)から放ったショットはあたりが薄くややトップ球だった。だが、グリーンに上がってみるとピン1メートルについていて、「そこでバーディがとれたのは大きかったです」とツキも味方した。
最終18番パー5はパーで上がれば優勝という場面。佐渡山は守ることなく220ヤードのセカンドショットをピン手前5メートル弱に乗せ、イーグルこそならなかったものの2パット。初の“みちのく戦”はバーディで幕を閉じた。
「特にいいショットがあったわけでもないし、調子がよかったわけでもなかった。その中で耐えることができたし、ボギーをあまり打たないようなゴルフを、しかも得意ではないコースでできたのは自信になります。今年はボギーの数が圧倒的に減ったと思う。アプローチやパターが安定しているおかげで、ショットをミスしてもリカバリーができるようになりました」。
佐渡山は今年同ツアーに10試合出場しており、トップ10回数は2度の優勝を含めて7回。ミスに対しての対応力が上がったことが、好成績の要因となっているのは間違いない。それはJLPGAのプロテストでも発揮。先週行われた第2次予選(C地区)は、4日間トータル5アンダーで回り11位タイで通過している。
そのプロテストで最終ステージへコマを進めた佐渡山だが、さらに経験を増したことで「最終プロテストもこの流れで挑めたらいいなと思っています」と笑顔を浮かべた。そして、最後に岩手県は堪能できたのか? と聞いてみると、「冷麺とお寿司を食べました! おいしかったです」ともっと満面の笑みを続けた。精神的にも安定している今年、プロテスト合格への視界は良好だ。(文・高木彩音)
※ネクストヒロインゴルフツアー(共催:株式会社マイナビ、株式会社ALBA、株式会社ALBA TV)は将来ツアーで活躍することを目指す、JLPGAプロテスト合格前の若手女子ゴルファーが経験を積むための場として2019年に始まった。今シーズンは全15戦が予定されている。出場選手は年間ポイントランキングによるシード、前大会成績上位者、主催者推薦、ファン投票などによって決められる。