アマチュアのドライバーはロフト9度がいい!?【QPのギアマニュアル】

皆さんはドライバーのロフト角9度と聞くと、どんなイメージを持たれますか? 大体の方はパワーヒッターや上級者向けというイメージを持っていると思います。しかし、今のクラブはパワーやハンディキャップでロフト角を決めるという時代ではないのです。
 
最近の男子プロのドライバーのロフト角は、昔と比べて増えてきています。20年ほど前は9度前後が多かったですが、今は10度以上にしているプロが非常に多いです。米ツアーの飛ばし屋の中にも10.5度の使用者がいるほどです。この変化はクラブの進化による影響が関係しています。
 
昔のドライバーはとてもスピンがかかりやすいクラブだったので、パワーのあるゴルファーが飛距離を出すには、いかに過剰なスピンを減らすかというのが一つの課題でした。ドライバーのスピン量というのは、フェース面上の重心点、つまり芯に対してどこでボールをヒットするかによって変わってきます。芯の上側でヒットするとスピン量が減りやすく、逆に下側でヒットするとスピン量が増えやすくなります。昔のドライバーは重心位置が高いため、フェース面上の芯の上部エリアが狭く、どうしてもスピンがかかりやすかったのです。
 
だから昔のプロたちはヘッドを下から上にかち上げるアッパーブローで、できるだけ余計なバックスピンをボールに与えないスイングをしていました。そのスイングに対して、適正な打ち出し角を得るためのロフト角が9度前後だったのです。
最近の男子プロのドライバースイングのトレンドはアッパーブローではなく、インパクト付近で水平に振るレベルブローになっています。クラブは進化により重心位置が低くなるなど、低スピンになっています。わざわざアッパー軌道で打たなくても、余計なスピンが入りづらくなったというのが、スイング傾向が変わった主な要因です。
 
低スピンはクラブだけでなく、ボールも同じです。加えて、プロはフェース上部の飛ばせるポイントでヒットしているのでスピンが減りやすい。アッパーブローからレベルブローにスイングを変えて昔のまま9度を使うと、打ち出し角が足りずにドロップしてしまいます。そのためロフト角を増やすプロが多くなったのです。さらに今では精密な弾道計測器が開発され、弾道やヘッドの挙動を細かく分析することができます。その結果をもって、安定して飛距離を出せるのが10.5度というプロが増えてきたのです。
 
一方、昔のアベレージゴルファーは、カット軌道で打ち込む度合いが強く、9度ではボールが上がりません。そのため10度以上のロフト角が推奨されていたのです。 
 
しかし私は、現在のクラブで多くのアマチュアが飛ばせる適正ロフト角は9度前後だと考えています。長年、お客さまと接する中で、スイングの傾向は上から振り下ろすダウンブローのカット軌道です。これは今も昔も変わっていません。ですが、現在の深・低重心化されたドライバーでは、ロフト角以上にボールが上がりやすくなるため、10.5度以上あるとボールが上がりすぎて飛距離ロスにつながっていることが多いのです。いくら余計なスピンがかかりづらいクラブに進化したとはいえ、ダウンブローでのインパクトはスピンが入りやすく、ロフトの多いクラブでは、よりスピン量が増えてしまいます。
 
プロが10.5度を使って自分が9度なんて昔の常識じゃ考えられなかったかもしれませんが、それくらいクラブは進化しているのです。10.5度と9度を比べた場合、ロフト角が立った9度のほうがインパクトで余計なスピンが減りやすく、ボール初速が上がりやすくなります。そこそこ高い球が打てているなと感じる方には、ぜひロフト角が立ったモデルにチャレンジしてもらいたいですね! 若いころよりパワーが衰えたからといって、安易に10.5度を選ぶ必要はありませんよ。

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