
<ニトリレディス 3日目◇26日◇小樽カントリー倶楽部(北海道)◇6695ヤード・パー72>
灼熱の小樽でひときわ輝きを放った。ツアー屈指の難コースを相手に、馬場咲希(代々木高3年)がツアー自己ベスト「67」をマーク。トータル5アンダー・16位タイに浮上した。結果を出せずに苦しい時を過ごしていたヒロイン候補生が、飛躍の時を迎えようとしている。
昨年8月の「全米女子アマ」で日本勢37年ぶりの優勝を果たし、一躍スポットライトを浴びた。国内女子ツアーにも推薦で出場する機会が増えた。当然、2019年の古江彩佳以来、史上7人目となるアマチュア優勝への期待も高まった。
だが、プロツアーの壁は高かった。全米アマ制覇以降、最高順位は昨年「日本女子オープン」での11位タイ。ベストアマは何度も獲得したものの、これまで一度もトップ10入りを経験していない。
「最近出てた試合でいい結果が残ってなくて、色々嫌なこと言われたりとか…。自分も不安な気持ちになっちゃうことが多かった」
期待値の高さゆえか、周囲からネガティブな言葉も聞こえてくるようになった。それに追い打ちをかけるように、今年出場した海外メジャー4試合はいずれも予選落ち。悔しさから大粒の涙を流した。
だが、「一回自分を見つめ直した。いろいろ(課題を)書き出して、“ここがダメだ”と思ったところが多かった」。18歳の逸材は苦い経験を力に変えた。「きょうは課題にしていたことを色々と試した。それをやっていいスコアで上がれたので、自信に繋がればいいな」と、ムービングデーでの「67」は内容、結果ともに合格点だ。
「きょうは久しぶりにいいゴルフができた。あすもそれを続けられるように、上を目指して頑張ります」。異常な暑さに見舞われる北の大地で、馬場の心も熱を帯びている。