
<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 初日◇3日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ古江彩佳だったが、“これぞリンクス”という天候に手を焼く初日になってしまった。2オーバー・54位タイという結果を振り返り、「本当に風が強くて、すごく悩まされた」とポツリ。その威力は精密機械ともいわれるショットを狂わせた。
序盤は上々の滑り出しだった。ハーフターン時点で2アンダー。タフなコンディションの午後組にもかかわらず、着実にバーディを重ねた。しかしその流れに水を差したのが11番パー3。ティショットを左のポットバンカーに入れると、そこから寄せきれず、さらに3パットのダブルボギーを叩いた。「大きいミスで…痛かった」と振り返る。すると15番パー3でも再び悲劇が。「引っかけた」というティショットは大きく曲がり、左のブッシュに。その後ボールを見つけることができずに、この日2つ目のダブルボギーを喫した。
「去年もここまでではなかった」というほどの強風がスタートから吹き荒れた。前半こそうまく付き合っていたが、海からの風をもろに受けるインコースでその脅威が増した。それでも5番パー5では、残り226ヤードから2オンに成功。5メートルのイーグルトライにつなげるプレーが出るなど、スコアが伸びる予感も漂わせた。ミスがスコアロスにつながってしまったものの、この天候でフェアウェイキープは14ホール中13回、パーオン数も18ホール中14回という数値もさすがの一言。
そして、この日のラウンドには“気がかり”なこともあった。1年前に優勝した際、ゲン担ぎを聞かれた時に古江が答えたのが「アイスクリーム」。コースから帰る途中に毎日買って食べた地元の味が、活力にもなった。そこで開幕前日に、今年もそれを買いに行ったのだが、古江が宿泊する地域を突然停電が襲ったことが原因で購入できなかった。「きょうはリベンジですね」。巻き返しへ“万全を期す”つもりだ。
2日目は午前組で、きょうよりも穏やかなコンディションでラウンドを進められる可能性が高い。「明日はしっかり伸ばせるように、風がなければラッキーですけど、ないうちにしっかり伸ばしたい」。ここは、昨年最終日に「62」をたたき出し、衝撃の逆転優勝を挙げた地。再びビッグスコアをたたき出し、連覇を争える位置までまずは浮上したい。(文・間宮輝憲)