
<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 初日◇3日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
初日をイーブンパーと耐え抜き24位タイにつけた勝みなみだが、これは“ドタバタ”を乗り越えての上々発進だった。
驚かされたのは前夜のこと。練習を終え、今週借りている家へ戻ると、ゆっくりしようとベッドに寝そべった。すると次の瞬間、さっきまでついていた電気がいきなり消えた。「最初は気づかなかったんですけど、『あれ停電だよね?』って」。実は勝が宿泊しているエリア一帯は、3日の午後4時30分頃からおよそ午後8時前まで停電に襲われた。「すごくびっくりして…。いきなりパチンと消えたから、『絶対にポルターガイストじゃん!』と思ったら違った(笑)」。スコットランドはこの時間はまだ外は明るいが、その現象自体にまずは驚かされた。
明るさは問題なくても、家電は一切使えない。そこで晩御飯は急きょ、外食に。「リゾットを作ろうと思って材料も買って準備をしていたのに作れなかった。きょう作ろうかなと」とお楽しみも持ち越しになってしまった。それでも食事から戻る途中に“復活”と、長引かなかったのが幸い。大きな影響もなく、普通の生活に戻ることができた。
この他にも、帯同する母・久美さんの荷物が入国時にロストしたり、何かと落ち着かないなかで迎えた初日は、1番でいきなりティショットを大きく左に曲げてボギーを叩くなど、バタバタする立ち上がりになった。しかしそこから獲っては失うという流れにこそなったものの、「耐えまくった」。終盤まで荒れていたショットも、17番を境に急によくなり、これも2日目につながる。
「きょうは多少曲がってもいいところに行っていた。運が良かったのかもしれないけど、自信を持って振っていけばたぶん大丈夫かなと最後に思えた。きょう良かったことは続けながら」。思いがけない形でスコットランドの“洗礼”を浴びることになったが、それも明るい声で笑い飛ばした。2日目はさらに風が強まることが予想される午後組でのプレーになるが、そんな逆境もはねのけて、3試合連続の予選通過、さらに上位を目指していきたい。(文・間宮輝憲)