
<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 事前情報◇2日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
1年前に出場した時は、4日間60台を並べるラウンドで7位。「以前のような苦手意識は少なくなった」とリンクスの見え方が変わるきっかけにもなった大会で、畑岡奈紗が今季初優勝へ歩みを進めていく。
今回は攻撃への意識も変わってきそう。昨年はフェアウェイ、グリーンともに硬さがあったコースだが、今年は月曜日に降った大雨も影響してか、全体的にやわらかめのコンディションになっている。「長いアイアンでピンの周りに落としても、止まってくれる。デッドに攻めてもいいかな」。あとは重ためのグリーンでも、しっかりとパターを打ち切ることを徹底し、上位で戦っていきたい。
直近で出場した2つのメジャー大会は、「全米女子オープン」4位、「エビアン選手権」3位と続けて優勝争いに名乗りを上げた。「ショットの調子も先週に比べるとだいぶいい」。フランスからの上積みもしっかりと感じられるが、その背景にこんな変更ポイントがあることを明かす。
帯同する真田和俊トレーナーとの話し合いのなかで、スタンスの幅を見直した。これまでの「自分が振る時に気持ちがいい」という部分よりも、少し狭めに設定してアドレスに入る。
「しっかり高く手をあげて、上から打ち込むことを考えた時に、スタンスが狭いほうができるようになっていますね」。火曜日のコースで試したところ感触は良好。真田氏が「顔の左右への動きが小さくなり、軸も安定します」と説明する取り組みで、より精度の高いショットを打ちこんでいく。
これまでも状態を上げるために何度か試そうと考えてきたが、どうしても試合になると他のことにも気をとられ、安心感があるスタンスに戻ってしまっていた。また広めのスイングの方がドッシリとしているイメージもあり、風が吹くラウンドではその感覚を求めてきたことも変えられなかった理由としてある。
しかし今年のスコットランドのリンクスでは、そこを徹底。「結果が出ていないので何かを変えないといけない。今週はこのスタンス幅でハマりそうなので、試合でやって来週にも生かせれば」。間近に控える、今季最後のメジャー「AIG女子オープン」(全英女子)での活躍も視野に入れ、ここで動く。
今年の全英女子が行われるロンドン郊外のウォルトン・ヒースGC(イングランド)はリンクスではないため、意識する部分は今週とは異なりそう。ただ来年はスコットランドの名門リンクス、セント・アンドリュースが舞台になるなど、これからも海岸沿いでプレーすることを避けることはできない。「これだけ強風のなかでプレーすることはアメリカではあまりない。リンクスでさらに自信をつけることができれば」。目先の結果ももちろん大事だが、さらにその先も見据えていく。(文・間宮輝憲)