渋野日向子は“力感半分”で左手の負担軽減へ 「今はトップの位置は意識しない」

<フリードグループ・スコティッシュ女子オープン 事前情報◇2日◇ダンドナルドリンクス(スコットランド)◇6494ヤード・パー72>
 
1年ぶりに本場のリンクスに再び戻ってきた渋野日向子は、その印象について「覚えているところは多かった。安定の難しさ(笑)」と少しおどける。風も穏やかだった火曜日には、西村優菜と18ホールの練習ラウンドを行い、コースをチェック。プロアマメンバーではなかったため、強風が吹いた開幕前日の水曜日は練習場のみの調整になったが、「敵でしかない(笑)」という風との戦いにも思いを巡らせる。
そしてコースでは、力感の少ないスイングから放たれるドローボールも多く見られた。今季は開幕時からトップの位置が高い新スイング作りに取り組んでいるが、クラブを上げた手の到達点が少し低いように見える。これについて聞かれると、渋野はこう明かした。
 
「今は体の動かし方、使い方を意識してやっているので、あまりトップの位置は意識していない。それをやりすぎたことで力んで、手を痛めてしまった。痛みなくプレーしないといけない」
 
今年の4月ころに左手の親指つけ根付近をケガし、そこからテーピングを巻いてプレーを続けた。この期間には「練習不足」に陥っていることや、それに伴う苦悩なども明かしている。負担軽減のため、急きょベースボールグリップを試したことも。決して万全とはいえない状況のなかでの戦いを強いられてきたが、それはスイング改造による“副作用”ともいえた。
 
そして再発防止のため試しているのが、現在の形。“腕を高く”という意識によって生じる“リキみ”を軽減するのが狙いだ。「これでやっていけば手の負担が少ないのは分かる。地面が硬いなかで打ち込んでも痛くない。『腕を高く上げないといけない』と思うことで、体に大きな負担をかけてしまうタイプということにも気づけた。それで体の使い方を見直して」。たとえ歩みのペースが少し遅くなっても、今後も見据えたスイングを意識する。
 
このフォームが正解かどうかは「分からない」というのも本音。力の入れ具合は、新スイングに取り組んでいた序盤戦に比べ「半分くらいかな」とも話す。それでも試行錯誤の一環として力みのないスイングを取り入れ、不安を解消しながら目指してきたスイング作りにつなげていく。
 
コースに吹き込む強風に加え、アンジュレーションに富むグリーンでは、ショット時に気をつかうポイントがどうしても多くなる。「風が強かったら、それを利用しながらというわけではないけど、しっかり曲がり幅も見ていきたい。自分のミスであれば分かるので」。ケガから得た教訓も、進化への糧にしたい。(文・間宮輝憲)

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