
<楽天スーパーレディース 2日目◇28日◇東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)◇6636ヤード・パー72>
初日首位タイの宮澤美咲が5バーディ・1ボギーの「68」とスコアを伸ばし、トータル11アンダーで首位タイをキープした。ツアーきってのゲーム好き。第2ラウンドは午後12時25分と遅いスタートだったため、朝から友人とオンラインでゲームを楽しむ余裕の一日だったはずなのだが…。
大会は初日に続き、雷雲接近によりプレーが中断。宮澤は再開直後のプレーがちょっぴり不安だった。「左足上がりで打ちやすいライからのバンカーショットだったんですけど、バンカーが苦手なので…」。実際にプレーが再開すると、バンカーからは1メートルに寄せたが、これを外して、この日初めてのボギー。想定とは違う展開だったが、ここで一歩後退となった。
それでも、続く14番パー4で5メートルを沈めてバウンスバック。上がり2ホールで続けてチャンスを逃がし「パットの自信がなくなりました」と嘆いたが、前半の4バーディが効いて、首位タイでの折り返しとなった。
ここで冒頭の朝の話に戻ろう。午前10時にホテルを出発予定だった宮澤は「時間があったので、もう一度寝ようかなとも思ったんですけど、友達に連絡したら今日は休みだというので」と出発までの1時間はゲームをして過ごした。初日首位タイの選手とは思えない余裕ぶりだが、ゲーマーの宮澤にとっては当たり前の行動。ただし、ここからが予定外だった。
「出発してからしばらくして氷嚢を忘れたことに気づいて、ホテルに取りに戻ったんです。あんなに時間に余裕があったはずなのに、それでバタバタしてしまいました」。スタートの1時間30分前から体をほぐして練習をする予定が、コースに着いたのは午前11時20分ごろ。1時間で慌ただしく準備をしてのスタートだった。
それでも、1、2番で連続バーディを奪うのだから、ゴルフは分からないもの。「今年からレギュラーツアーに出るようになって、開幕のころはいつも緊張していたんですけど、いろんな選手と話す機会も増えて、最近はだいぶ慣れてきました」。到着の遅れというハプニングを難なく乗り切れるのも、ツアーに馴染んできた証拠なのかもしれない。
3日目は首位に並ぶ鈴木愛、1打差で2位タイの吉田優利との最終組。決勝ラウンドの最終組は5位タイに食い込んだ3週前の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で3日目、最終日と経験済みだが、こちらはまだまだ慣れているとは言い難く「どこかで必ず緊張すると思います」。2日目の夜もきっとゲームをして過ごしたであろう宮澤が若さと勢いでプレッシャーを撥ね除けられるのか注目だ。(文・田中宏治)