『目標スコアの達成』を新クラブ購入の動機付けにすると、上達が遅れる

キラキラした瞳でオジさんゴルファーが言うのです。

「目標スコアを達成したら、☆☆☆のクラブを買うと決めているので、楽しみです」。無邪気で、本気だとわかるので、思わず言いたいことを飲み込みました。
“課題をクリアしたら、ご褒美” とか、“にんじんを鼻先にぶら下げて全力が出せる” など、ただ目標を立てるだけではなく、明確な報酬があったほうが、パフォーマンスが上がることは、科学的にも証明されている事実です。

でも、ゴルフ用具に限って考えると、目標スコアをクリアしたらご褒美、というパターンは、遠回りになるという説が有力です。自分の周囲を観察しても、クリアしたらご褒美の達成率はイマイチです。

断言します。スコアアップしたいのであれば、用具を報酬にしてはダメ。

当たり前ですが、ゴルフはクラブでボールを打つものです。プロゴルファーでさえ、道具を慎重に選ぶのは、劣ったクラブや合わないクラブでは、努力しても報われないことを知っているからです。むしろ考え方は真逆で、先に新しいクラブを手に入れてバージョンアップした方が目標スコアを達成できる可能性が高い。

「ゼロに、何を掛け算してもゼロ。用具選びで失敗する人は、それがわかっていません」
カリスマゴルフショップ店員のセリフです。わかる人には身に染みる言葉です。

「クラブ交換のサイクルは、どのくらいですか?」。最新のクラブを試打している関係もあって、よく聞かれる質問です。ちなみに新製品が発売されるサイクルは、基本2年で新旧が入れ替わり、ブランドによっては、毎年新製品を出すケースもあります。

かなり頻繁に新製品が発売されているわけですが、自分の場合は、「決まっていません」と答えています。本当だからです。ただ、交換する自分なりの考え方、基準はあります。

ドライバーとパターは、サイクル関係なしに、常に新しいものと入れ替えるつもりでいます。このふたつの用具は、他の番手にスペックを合わせる必要がなく、機能が特化しているからです。また、結果がすぐに出るので、交換した意味がわかりやすいということもあります。

フェアウェイウッドやユーティリティは、相性もあるので、一生モノというケースもあり得ます。信頼し合えるクラブがあれば、新製品が取って代わるのは簡単ではありませんが、逆に、『信頼できるクラブに出逢うまでは、頻繁に交換するのもアリ』、と考えるのがベターではないかと。

アイアンも、慣れるのに時間がかかる用具であり、番手ごとに距離をしっかりと打ち分けるクラブなので、新機能に惚れて交換することが一番少ないクラブだと言えます。5年使用なんて当たり前。10年使用も珍しくはありません。

これらは、あくまでも考え方としてのひとつの基準です。絶対的な正解ではありません。
ただ、確実に言えるのは、今よりレベルアップしたいなら、クラブは変更すべき、ということ。

実は、頭で理解できていなくともプレー機会の多いゴルファーなら、直感的に自分の弱点を知っているということがある。その表れが、「このクラブ欲しいなぁ~」と、少しでも思った時です。つまり、そう思った時がまさにクラブを交換する、新しいクラブを購入するタイミング。だから、新しいクラブを買うのは目標達成後ではなく、「今でしょ!」なのです。

(取材/文・篠原嗣典)

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